【ディリ/東ティモール 11日 AFP】11日、投開票が行われた東ティモール大統領選は大接戦となり、決戦投票に持ち越されることが確実となった。全国選挙委員会(National Election Commission)がAFP記者に語った。

■決選投票へ

 開票率70%の時点での同委員会の発表によれば、現首相のジョゼ・ラモス・ホルタ(Jose Ramos-Horta)候補が得票率21.75%でトップに立っているが、後を追う野党民主党(Democrat Party、PD)党首のフェルナンド・デ・アラウジョ(Fernando de Araujo)候補は21.73%を獲得しており、その差はわずかとなっている。

 大接戦を展開するもう1人は与党フレティリン(Fretilin)のフランシスコ・グテレス(Francisco Guterres)候補で、得票率の28.3%となる35万4033票を獲得。

 これにより、上位2候補による決選投票の実施がほぼ確実となった。Faustino Cardoso選挙委員長によると、グテレス候補は既に決戦投票の準備に入ったという。決選投票は5月8日に実施される。

■事前に懸念された混乱はなく

 2002年の独立以来、始めてとなる今回の大統領選には、52万人以上が投票者名簿に登録。9日の投票日には、かつて独立運動のゲリラ戦を率いたシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)大統領の後継者を選ぶため、大勢の国民が投票所に押し寄せた。

 国際治安部隊の協力を得た国連警察(UNPOL)および警察当局が厳重な警備を続ける中で行われた選挙は、懸念されていた暴力行為や有権者に対する脅迫、投票直前の投票用紙の混乱も発生することなく、投票は整然かつ公正に実施されたという。

 国内では1974年以降、インドネシアの占領下で紛争が続き、1999年に国連管理下で実施された住民投票後には騒乱状態に陥った。こうした歴史を持つ東ティモールで平和的に実施された今回の大統領選は、高い評価を受けている。

 写真は9日、開票作業を進める選挙担当職員。(c)AFP/MARIO JONNY DOS SANTOS