【ドバイ/UAE 9日 AFP】ロンドンに亡命中のベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元パキスタン首相は、国内の混乱で窮地にあるペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領に対して支援および協力する考えはないと明言した。9日付の地元紙Emirati Khaleej Timesが伝えた。

 同紙によると、ブット氏はアラブ首長国連邦内で最近、旧政敵であるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元パキスタン首相と会見した際、シャリフ氏に対し、パキスタン政府と支援要請をめぐり話し合ったことは一切ない、と断言したという。同紙は、ブット元首相率いる野党パキスタン人民党(PPP)幹部の談話を引用した。

 最近、亡命中のブット元首相と同氏が総裁を務めるPPPの支持を得ようと、ムシャラフ大統領が交渉中だとするパキスタン高官の談話が報じられたばかり。

 過去8年間政権の座にあるムシャラフ大統領はこのところ、多くの難題に直面している。最も深刻な懸念は、最高裁長官の職務差し止めをきっかけに全国へ広がった自身に対する抗議で、ブット氏のPPPなど野党勢力の支援する抗議行動が相次いだ。

 ブット元首相はUAEのドバイ(Dubai)とロンドンの間を往復して亡命生活を送っている。ブット元首相ならびに同氏の後任であり政敵だったシャリフ元首相は、当時陸軍参謀長だったムシャラフ大統領が無血クーデターを成功させた際、国外追放された。

 写真は、亡命先のロンドン中心部でシャリフ元パキスタン首相(写真外)と共同記者会見に臨むブット元パキスタン首相(2006年10月19日撮影)。(c)AFP/Bertrand LANGLOIS