【千葉 9日 AFP】6か国協議の米首席代表クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補(東アジア・太平洋担当)は9日、成田に到着した。日韓中3か国を歴訪する。同次官補は、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で合意された寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設停止など、14日に迫った北朝鮮側の「初期段階措置」の実施期限に間に合うよう、近日中に事態が大きく進展するだろうと期待を表明した。

 2月の6か国協議で北朝鮮側は、エネルギー支援やマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮関連口座に凍結されている資金2500万ドル(約30億円)の返還と引き換えに、寧辺にある核施設の停止・封印と、国連(UN)核査察官の受け入れ再開を4月14日までに実施することに合意した。しかし、資金の移行先とされた中国銀行が難色を示すなどで返還は実現しておらず、北朝鮮側も措置の実施を見合わせている。

 成田に到着したヒル国務次官補は、「非核化を開始させるため、特に寧辺の施設停止と国連査察官受け入れについて、今後2、3日以内に我々は事態を進展させられると期待している」と述べた。また、米政府が資金返還方法について調整中であることを明らかにし、「事態を打開する方法、またそれを実行する方法についていくつかの案があるが、非常に難しい作業であることは明らかだ」と語った。

 凍結資金返還の遅れが障害となり、6か国協議で合意されたその他の事項も滞っている。日本政府も、また北朝鮮の主要同盟国である中国政府も、現状では北朝鮮が期限内に合意事項を履行する可能性はないだろう、とみている。

 北朝鮮側は3月に行われた最近の6か国協議で、「実際に資金が移管されるまでは、交渉を拒否する」との姿勢を鮮明にした。

 ヒル国務次官補の歴訪に先立ち、ビル・リチャードソン(Bill Richardson)ニューメキシコ(New Mexico)州知事(民主党) が率いる米代表団が前日8日、朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還に関する協議を目的に北朝鮮入りした。

 写真は3月22日、北京で記者会見したヒル米国務長官補。(c)AFP/Peter PARKS