【ロサンゼルス/米国 8日 AFP】約3年ぶりとなる鬼才クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の新作は、かつて60-70年代の全米のドライブインシネマやボロ映画館においてお決まりだった“低予算”“大量殺りく”の古典B級ホラー映画に対するオマージュが随所に散りばめられた作品に仕上がった。

『レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)』『パルプ・フィクション(Pulp Fiction)』の名監督は、再びロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)と組んで、3時間に渡る2本立て映画『グラインドハウス(The Grindhouse)』を完成させた。同作名はかつてゴア・スプラッター系の作品をひたすら上映していた映画館群の総称からとられた。

タランティーノ手掛ける『Death Proof』とロドリゲス手掛ける『Planet Terror』は、英国とオーストラリアを除き、米国外では別々にリリースされる予定となっている。

B級映画オタクとして広く知られるタランティーノは、最近行われたインタビューの中で「“グラインドハウス系”の映画作品は幅広いジャンルを網羅していた」と述べた。

「たいてい都会の廃れた映画館で上映されていた。ホラー、カンフーからマカロニ・ウェスタンまでありとあらゆる作品がね」と44歳になるロサンゼルス在住のタランティーノは語った。

「2本立て、3本立ては当たり前で、時に一晩中上映していることもあった。サブ・ジャンルも豊富で、チアリーダー系、ナース系、モンスター系など様々だった」

タランティーノ手掛ける『Death Proof』は、カート・ラッセル(Kurt Russell )演じるクレイジーなスタントマンが愛車に乗り、次々と美女をひき殺していくというストーリー。

 「多くの“グラインドハウス系”の映画はまだまだ安っぽさが足りない。かと言って自己満足の映画になってはいけないので、その点は努力している。勧善懲悪ものは作らない。どの作品も、全力投球で取り組んでいるよ。」とタランティーノは言う。

 一方ロドリゲスは、「タランティーノにサブカルチャーを教えてもらうまでは、“グラインドハウス系”の映画なんて聞いたことなかったよ。お互い昔からの友達で、しかも共同制作者なのにね。彼は昔観たお気に入り映画のビデオを僕に見せてくれた。僕はそれをとても気に入ってしまって、僕等で映画を作って他のみんなにも観せなくては、と思ったんだ。だって本当に楽しかったのに、誰もタランティーノの家でこんな風に映画鑑賞出来ないからね。最近はみんな劇場映画に退屈してるんだよ。」と語る。

 この二人が手掛けた『グラインドハウス』が大ヒットになるかどうかは、封切りされたばかりなのでまだわからないが、今のところ2作品とも合わせて好評を得ている。「残虐シーン、強姦、カーチェイス、爆発、お色気、上手い役者、下手な役者...とにかくなんでもあり。」という評価も受けている。

 しかし本作品の配給会社ワインスタイン・カンパニー(The Weinstein Company)の担当者は、「“グラインドハウス系”の映画はアメリカ独特の形式なので、この2作品は米国外では別々に公開します。」と言う。

 「数本立て映画を連続上映する方式は、米国外には浸透していないため、今回はタランティーノの映画『Death Proof』とロドリゲスの映画『Planet Terror』 として、別々に公開します。どちらの作品にも、米国では見られない追加シーン、そして予告編が入っています。」と語った。

 写真は、書店ジム・ハンリーズ・ユニバース(Jim Hanley’s Universe)で開催された『The Grindhouse』のサイン会に登場したロドリゲス監督(左)とタランティーノ監督。(c)AFP/Getty Images Bryan Bedder