【ディリ/東ティモール 8日 AFP】9日に実施される大統領選挙に向け、候補者らは8日、最後の訴えを行った。一方で警察当局は、過去数週間で選挙絡みの逮捕者が200人出たと発表した。

 選挙の混乱への懸念が高まる中、現職のシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)大統領はラジオ放送で、暴力や抑圧のない国を作るために投票に行くよう呼びかけた。

 かつて独立運動のゲリラ戦を率いた同大統領は、「支持候補者に投票をさせるために、脅迫や暴力を行ってはならない。すべての候補者が結果をしっかりと受け止めるよう求める」と述べた。

 今回の選挙は、2002年の独立後、初の国政選挙となる。有力候補である民主党(Democratic Party)のフェルナンド・デ・アラウジョ(Fernando de Araujo)党首は、「公正な選挙は期待できない」と語る。
 「国連(UN)の部隊やオーストラリア軍、ニュージーランド軍などが、少なくとも平和な選挙になるよう力を尽くして欲しい」

 投票日となる9日は、国連の平和維持部隊の支援を受ける現地警察と国際警察4000人以上が警戒にあたる。Hermanprit Singh国連警察副総監によると、選挙の不正をめぐり、すでに逮捕者が約200人出ているほか、多数の暴力グループメンバーらが拘束されている。

 写真は8日、ディリ(Dili)のコモロ空港(Comoro airport)で、別の地域に投票用紙や投票箱を運ぶためヘリコプターに積み込む関係者の警備にあたるポルトガル兵。(c)AFP/ADEK BERRY