【ロンドン/英国 7日 AFP】5日にイラクで殺害された兵士が、親しい友人であり、同僚でもあった女性だったと判明した時、ウィリアム王子(Prince William、24)は、大変な悲しみにおそわれているという。同王子の報道官が6日に伝えた。

■死亡した女性英兵は、王子と共に陸軍士官学校を卒業

 死亡したのは、Jo Dyer少尉。2006年12月、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が見守るなか、ウィリアム王子とともに名門王立サンドハースト(Sandhurst) 陸軍士官学校を卒業したばかりで、実戦経験を積むため、The Duke of Lancaster第2大隊の一員としてイラク入りしていた。

 Dyer少尉はイラク南部の都市バスラ(Basra)で、道路脇に仕掛けられた爆弾により殺害された。この爆破でDyer少尉のほか、兵士3人と現地の民間人通訳1人も死亡している。また、兵士らの死亡についてトニー・ブレア(Tony Blair)首相は5日、「テロ行為の結果」と述べている。

 5日の爆発で同少尉とEleanor Dlugsoz兵が死亡したことにより、米主導のイラク進攻が開始された2003年以来、女性英兵の死亡者数は4人に達した。男女合わせると、現在までに140人の英兵が死亡したことになる。

■悲しむウィリアム王子、一方、ヘンリー王子はイラク南部への派遣が予定

 ウィリアム王子の報道官は「王子は、サンドハースト陸軍士官学校時代の親しい友人であるDyer少尉が死亡したという、悲劇的な知らせを受けて、大変に悲しんでおられる。王子は同少尉のご家族や友人のことを思い、祈りをささげ続けるだろう」と語った。

 王位継承権第2位のウィリアム王子は、近衛騎兵連隊「ブルーズ・アンドロイヤルズ(Blues and Royals)」に所属しているが、同じく同連隊に所属する弟のヘンリー王子(22)は、イラク南部への派遣が予定されている。

 写真はサンドハースト陸軍士官学校の卒業パレードに臨むウィリアム王子(2006年12月15日撮影)。(c)AFP