【ディリ/東ティモール 7日 AFP】2002年の独立以来初めてとなる大統領選挙を2日後に控えた7日、国際治安部隊の協力を得た国連警察(UNPOL)および警察当局が厳重な警備を続ける国内では平穏な状態が続いている。

 国連の発表によると、3月28日に首都ディリ(Dili)および周辺地域で発生した選挙絡みの衝突により、少なくとも32人が負傷したものの、2週間にわたる選挙活動期間は全般的に平穏で、国連警察のMonica Rodrigues報道官も「落ち着いた状態が続いている。主立った事件は発生していない」と語っている。

 国連東ティモール統合支援団(UNMIT)のフィン・レスケーニールセン(Finn Reske-Nielsen)副代表は5日、記者団に対し「大統領選に向けて、警備は強化される」と語り、同支援団のAtul Khare代表も「国連警察1655人および現地警察約2800人が、豪主導による1000人規模の国際治安部隊の支援を受け、警戒にあたっている」と述べている。

 潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は7日、ラジオ放送で「選挙をめぐり暴力や脅迫行為が発生せず、すべての人に受け入れられる結果が出ることを希望する」と述べ、国内全政党に向けて自由で公正な選挙の実施を呼びかけた。

 9日に実施される大統領選挙へはジョゼ・ラモス・ホルタ(Jose Ramos-Horta)首相を含む8人が立候補しており、現職のシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)大統領は再選出馬を見送った。

 24年にわたり隣国インドネシアによる占領を受けた東ティモール民主共和国は国連の管理下に入り、2002年に独立を果たした。だが、2006年5月に発生した暴動で少なくとも37人が死亡、15万人を超える住民が家を捨てて避難生活を送ることを余儀なくされ、豪主導の国際治安部隊が国内に展開したものの、現在も約3万7000人の住民がディリの避難民キャンプで生活している。

 写真は7日、復活祭(イースター、Easter)を祝うためバウカウ(Baucau)の自宅に向かう人々。(c)AFP/ADEK BERRY