【カイロ/エジプト 3日 AFP】古代エジプト最高の王とされるラムセス2世(Ramses II、紀元前1279-1213年在位)のミイラから奪われた毛髪を取り戻すためにフランスを訪れていたエジプトの考古学者らが2日、毛髪とともに帰国した。

 国営中東通信(MENA)によると、この毛髪は前年、危うくフランスで販売されるところだった。販売しようとしたのはグルノーブル(Grenoble)の郵便配達員、Jean-Michel Dieboltさん(50)で、ネットのオークションサイトに、ラムセス2世のミイラから採取したという毛髪やこのミイラに巻かれていた包帯を2000ユーロ(約31万円)で出品。

 警察は直後の11月、Dieboltさんを逮捕した。文化財の盗難に神経をとがらせているエジプト政府からも、非難の声が上がっていた。Dieboltさんは、30年前にミイラの調査団の一員だった父親から毛髪などを入手したと説明している。

 ラムセス2世のミイラは現在、カイロのエジプト考古学博物館に展示されている。1976年に、真菌感染症の予防対策のため、パリに搬出されたことがある。その際、ミイラにはエジプトのパスポートが発行され、パリのル・ブルジェ(Le Bourget)空港では、王にふさわしい盛大な歓迎式典が催された。

 Dieboltさんの父親が勤務していたとされるグルノーブルの原子力庁(CEA)は、分析のため1976年と1977年にミイラの毛髪、死体防腐剤の松ヤニ、包帯の一部が同庁に送付された事実を認めている。

 写真はラムセス2世像。(c)AFP