【ホニアラ/ソロモン諸島 2日 AFP】2日朝のソロモン諸島地震(マグニチュード8.0)で、震源に近いギゾ島の村など複数の村が津波に飲み込まれ、壊滅的な被害を受けたもよう。国家災害委員会が伝えた。

 警察当局の発表によると、この津波により15人の死亡が確認されているほか、多数の行方不明者が出ているという。
 これより先に、3人が死亡したとの未確認情報も流れている。国家災害委員会は、情報が不足しているとして、非常事態宣言は発令していない。

 震源地から45キロしか離れていないギゾ島では、電話も電気もストップし、被害の実態を把握できない状況だ。大半の地域との連絡網が確立されておらず、被害状況がつかめないことから、政府の調査船が、首都ホニアラ(Honiara)を出発した。

 同委員会は2日午後にも会合を開き、状況を再度確認するもよう。

 AFPの取材に応じた現地で働くオーストラリア人弁護士、Daniel Evansさんによると、首都ホニアラ(Honiara)では、地震発生直後に人々が叫びながら通りに飛び出す光景が見られたが、混乱は30分以内に収まり、日常が戻ったという。同諸島は、これまでにもたびたび津波の被害を受けている。

 Evansさんによると、「住民らはしばらく走り回っていた。ちょうど、通りにいた人が叫びながら走り出すのを見た。だが今は平常に戻っている」。また、「海岸まで津波の様子を確かめに行く人もいるが、皆元気だ。誰ひとりパニックにはなっていない」と話した。

 地元ラジオでは津波情報が流れているが、市内に避難勧告は出ていないという。

 米地質調査所(US Geological Survey、USGS)と香港天文台(Hong Kong Observatory)によると、地震が発生したのは現地時間の午前7時40分ごろで、震源地はソロモン諸島のガダルカナル島にある首都ホニアラ(Honiara)西北西約350キロの地点、震源の深さは約10キロ。

 USGSは、この8分後に、マグニチュード6.7の強い余震を観測した。

 地図はソロモン諸島と震源地の位置。(c)AFP

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