【フランクフルト/ドイツ 29日 AFP】ドイツ電機大手シーメンス(Siemens)は29日、大規模な捜査が継続中の資金不正流用事件に関連し、電気通信機器部門の現在および元責任者の2人が容疑者として拘束されたことを発表した。

 シーメンスの広報担当によると、同社に勤務する現在の責任者は停職となった。前任者は前年退社している。またシーメンス側は、検察への協力を惜しまず、必要な情報はすべて提供する意向を繰り返し強調した。

 同社の汚職、横領の疑惑は広範囲に及び、数か月の捜査が続く中、新たな容疑が次々と浮かび上がっていた。今週は、金属産業の大型労組「IGメタル(IG Metall)」に対抗させるため、独立系労組AUBに資金援助していた疑いで、Johannes Feldmayer取締役が拘束されていた。この事件では、以前シーメンスの経理責任者で監査役会のメンバーだったKarl-Hermann Baumann氏へも捜査が及んでおり、さらに数人の幹部らの関与が疑われている。IGメタルではこの件でシーメンスを告訴することを検討中としている。

 Feldmayer、Baumann両氏を始めとする複数の経営陣がAUBのWilhelm Schelsky容疑者への資金提供疑惑に関与したと見られている。

 先月逮捕されたSchelsky容疑者は、架空のコンサルティング料として1500万ユーロから2000万ユーロ(約23億5700万円から31億4200万円)を受領したとされる。

 2人の拘束は、さらに大規模な不正疑惑の一環で、検察側はシーメンスの取締役らが海外での契約を獲得するために、会社資金数万ユーロを不正流用したとみている。

 11月に検察が大規模な捜査を開始して以降、シーメンスの多くのオフィスや社員宅が横領、贈収賄、脱税などの容疑で捜索を受けた。通信機器部門の幹部を含む現従業員および元従業員の多数が、現在も尋問のため拘束されている。検察側は、不正流用関連の銀行口座に約2億ユーロ(約314億4000万円)が置かれ、それが賄賂や契約の不正獲得に使われたとみている。

 シーメンス側では社内調査で、総額4億2000万ユーロ(約660億4000万円)分の、不正が疑われる支払いを発見したことを明らかにしている。

 写真はFeldmayer取締役(撮影日不明)。(c)AFP/DDP/SIEMENS