【ブリュッセル/ベルギー 27日 AFP】世界市場で米国の巨額貿易赤字のような金融、貿易のアンバランスが続けば、ユーロの対ドル為替レートは現行の1ユーロ=1ドル33セントから1ドル45セントまで上昇する可能性がある、こんな予想が27日、世界の3つのシンクタンクから出された。

 米国経常収支の巨額の赤字は、他の主要通貨に対するドルレートが急落しない限り解消しないとの懸念は、エコノミストや政策当局者の間に以前から存在していた。

 ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲル(BRUEGEL)、ワシントンD.C.のPeterson Institute for International Economics、韓国の対外経済政策研究院の共同研究は、アンバランスの修正局面には、ユーロとともに英国ポンドも急騰し現行の1ドル96セントから2ドルを軽く突破するだろうと予測している。

 しかし共同研究は、欧州の政策当局者に対し、ユーロのレートが対円、対人民元で下がっている限り、ユーロを対ドルで低く抑えるための市場介入はしないよう勧告した。

 「欧州の政策当局者は、対ドルでユーロのレートが上昇しても、対円、対人民元でレートが低く押さえられている場合、あるいはグローバルな為替調整局面でユーロ高が生じている場合には為替介入するべきではない」

 3つの研究所はさらに、米国の経常赤字により生じた資本とモノの流れのアンバランスを修正することが欧州政策当局者にとっては急務であると勧告。金融市場が引き起こす強制的な調整局面を避けねばならないと主張した。

 「米国、アジアおよび欧州の政策当局者は、世界規模の経常収支の巨大なアンバランスが、市場により矯正されるのを座して待つべきではない」

 米国政府は3月初めの発表で、2006年経常収支の赤字が史上最大の8567億ドル(約100兆円)に達したことを明らかにした。これは、米国の国内総生産(GDP)の6.5%に匹敵する。

 貿易と投資のフローをはかる指標となる経常収支が赤字となることは、米国が外国に対して巨額の赤字を背負うことを意味する。

 これまでのところ米国の株式、証券に対する外国の需要が旺盛なため、経常収支の赤字は取り立てて政策上の問題とはなっていない。

 写真は、ユーロコインと1ドル札(2001年12月20日撮影)。(c)AFP