国連特使、「コソボ独立は不可欠」 地位確定包括案を安保理に提出 - 米国
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【ニューヨーク/米国 26日 AFP】国連の暫定統治下にあるコソボ自治州の最終地位問題を担当するマルティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)国連特使は26日、コソボの地位確定に向けた包括案を国連安保理(UN Security council)に提出するとともに、「コソボの独立は不可欠」との見解を示した。同特使の見解は、コソボ住民からは歓迎をもって迎えられる一方、セルビア政府からは反発の声があがっている。
アルバニア系住民が大多数を占めるセルビア南部のコソボ自治州の将来に関する包括案は、「コソボの政情安定と経済の活性化には独立が唯一の選択肢」としている。これに加えて、アハティサーリ特使は、「コソボは独立を遂げて初めて、責任ある民主的政府による活動が可能となる」との自身の見解を述べた。
これについて、コソボのアルバニア系指導者らは、直ちに歓迎の意を示した。
コソボのファトゥミル・セイディ(Fatmir Sejdiu)大統領は、「コソボにとって歴史的な日だ」とする声明を発表、「独立」が盛り込まれた包括案は、バルカン半島における最後の紛争を収束させるものとして歓迎した。
しかし、コソボはセルビア文明発祥の地であるとして領有権を主張するセルビア側は、包括案を不服とする姿勢を見せている。
セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は、ニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)米国務次官との電話会談のなかで、「コソボのいかなる形の独立もセルビアは容認できない」と、アハティサーリ案への不満をあらわにした。
一方で、タディッチ大統領は、コソボの将来について、さらに「建設的な協議」を行う用意があるとも語った。
約200万の人口の9割をアルバニア系住民が占めるコソボ自治州では、1998年、旧ユーゴからの分離独立を目指すアルバニア系住民とセルビア系住民との対立が激化し、いわゆる「コソボ紛争」に発展した。これに北大西洋条約機構(NATO)が介入、翌年、セルビアへ空爆を行いユーゴ軍は撤退した。以後、同自治州は国際連合(UN)の管理統治下に置かれている。この間、約1万人のアルバニア系住民が死亡、数10万人が難民となった。
アハティサーリ特使による包括案はいまだに議論の余地を残しているものと見られ、コソボの将来を協議する4月の安保理でさらに協議される。
写真はセルビアのPrizrenで15日、「民族の自決を」と書かれた落書きの前を駆け抜けるロマ民族の子どもたち。(c)AFP / ERMAL META
アルバニア系住民が大多数を占めるセルビア南部のコソボ自治州の将来に関する包括案は、「コソボの政情安定と経済の活性化には独立が唯一の選択肢」としている。これに加えて、アハティサーリ特使は、「コソボは独立を遂げて初めて、責任ある民主的政府による活動が可能となる」との自身の見解を述べた。
これについて、コソボのアルバニア系指導者らは、直ちに歓迎の意を示した。
コソボのファトゥミル・セイディ(Fatmir Sejdiu)大統領は、「コソボにとって歴史的な日だ」とする声明を発表、「独立」が盛り込まれた包括案は、バルカン半島における最後の紛争を収束させるものとして歓迎した。
しかし、コソボはセルビア文明発祥の地であるとして領有権を主張するセルビア側は、包括案を不服とする姿勢を見せている。
セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は、ニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)米国務次官との電話会談のなかで、「コソボのいかなる形の独立もセルビアは容認できない」と、アハティサーリ案への不満をあらわにした。
一方で、タディッチ大統領は、コソボの将来について、さらに「建設的な協議」を行う用意があるとも語った。
約200万の人口の9割をアルバニア系住民が占めるコソボ自治州では、1998年、旧ユーゴからの分離独立を目指すアルバニア系住民とセルビア系住民との対立が激化し、いわゆる「コソボ紛争」に発展した。これに北大西洋条約機構(NATO)が介入、翌年、セルビアへ空爆を行いユーゴ軍は撤退した。以後、同自治州は国際連合(UN)の管理統治下に置かれている。この間、約1万人のアルバニア系住民が死亡、数10万人が難民となった。
アハティサーリ特使による包括案はいまだに議論の余地を残しているものと見られ、コソボの将来を協議する4月の安保理でさらに協議される。
写真はセルビアのPrizrenで15日、「民族の自決を」と書かれた落書きの前を駆け抜けるロマ民族の子どもたち。(c)AFP / ERMAL META