【ロンドン/英国 26日 AFP】24日に行われたサッカー、欧州選手権2008（Euro 2008）・予選グループE、イスラエル戦を0-0のスコアレスドローに終わった事により解任説が囁かれているイングランド代表のスティーヴ・マクラーレン（Steve McClaren）監督は、試合後に起きた口論でウェイン・ルーニー（Wayne Rooney）との間に深刻な亀裂が生じたとの報道を否定した。

　英国メディアは、イスラエル戦後に行われたミーティングでマクラーレン監督から無得点に終わった試合の槍玉に挙げられた事に激怒したルーニーが、スパイクや荷物を壁に投げつけ、罵倒し合い怒声がイスラエルのドレッシングルームにまで聞こえたと報じていた。

　これを受けてマクラーレン監督は「ドレッシングルームでの出来事を公にする義務はないので話すことはないが、ルーニーとの間に亀裂が生じたとの報道は全くもって馬鹿げている。それが事実なら仕方がないが、この件に関してはごみ同然の報道と言わざるを得ない。選手とスタッフは思いを共有し結束はこれまでになく固い。我々チームは一つであり、何をすべきでこれから何を始めねばならないのかを理解している。28日に迎えるアンドラ戦に勝利し、6月6日にアウェーで行われるエストニア戦でも勝利しなければならないということだ。9月にはロシアとの2戦を控え、11月にはホームでのクロアチア戦を控えている。全てはこれから迎えるロシア戦とクロアチア戦のビッグマッチの結果にかかっている。」と語り、口論があったこと自体は否定せず、ルーニーとの間に亀裂は生じていないことを強調した。

　また、イングランド・サッカー協会（English Football Association：FA）と2010年まで結んでいる契約の中に途中で契約を解除する場合、一年分の給与250万ポンド（約6億円）がマクラーレン監督に支払われるという条項が含まれていることも報じられており、FA側から契約の詳細がリークされた事でこの条項が適用される可能性が高まりつつあることを裏づけしていた。

　親善試合も含めた最近の5試合で僅かに1得点とここ26年間で最低の成績に終わっているイングランド代表は、欧州選手権2008・予選で5試合を消化して2勝1敗2分けでグループ首位のクロアチアと勝ち点5差、2位のロシアと勝ち点3差で本大会出場権獲得圏外の3位タイに低迷していおり、本大会への出場を逃せばその損失は1億ポンド（約230億円）と試算されていることから、FAはより少ない損失で済む契約破棄料の支払いという選択が賢明との判断とのを下す可能性が報じられていた。

　写真は、イスラエル戦後に俯きながらピッチを後にするマクラーレン監督。(c)AFP/CARL DE SOUZA