【アンマン/ヨルダン 26日 AFP】コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は26日、中東歴訪3か国目となるヨルダンのアンマン(Amman)で、25日に続いて連日となるマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)パレスチナ自治政府議長との会談に臨んだ。
 行き詰まりを見せる中東和平プロセスの打開に向けた新たな取り組みにアラブ諸国の支持を得るため、ライス長官は往復外交を行なっており、アッバス議長との会談後はアブドラ・ビン・フセイン(Abdullah Bin Hussein)国王とも会談する予定。

 アッバス議長の側近によると、会談の中で同議長はライス長官に対し、イスラエルと和平プロセスの本質について話し合いたいと語った。また、パレスチナ解放機構(PLO)のサエブ・アリカット(Saeb Erakat)交渉局長は記者団に対し、「議長はライス長官に、イスラエルは我々と人道的問題や、安全保障の問題についての話し合いを求めるだけでは十分でないと述べた」と伝えた。

 ライス長官は26日遅くにはイスラエルのエルサレム(Jerusalem)に戻り、オルメルト首相と再び会談する予定。中東和平プロセスの進展を目指して、パレスチナとイスラエルとの「平行した」外交的取り組みを提案すると見られている。その最終目標は、2月に行なわれたアッバス議長と、オルメルト首相との3者外交に代わる外交策を確立することである。

 同長官はヨルダン訪問前、エジプトでアラブ諸国の穏健派と会談、25日には個別にアッバス議長およびオルメルト首相と最初の協議を行なっている。アラブ諸国の外相らは、2002年にサウジアラビアで採択された包括的中東和平案の支持を再度確認し、関係各国に承認を求める。一方、イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相も、アラブ諸国の会議に招待されれば「ちゅうちょ無く」出席すると応じている。

 ライス長官は、オルメルト首相との2度目の会談後、記者会見で正式に中東和平に関する新しい戦略を公表する。

 写真は26日、アンマンでアッバス議長と握手を交わすライス長官。(c)AFP/KHALIL MAZRAAWI