【ニューヨーク/米国 24日 AFP】「脱出王」の異名を取った「伝説の奇術師・ハリー・フーディーニ(Harry Houdini)」は、腹部への殴打によって死亡したのか、あるいは毒殺されたのだろうか。1人の親族がフーディーニの墓を掘り起こし、真実を探ろうしている。

 ハンガリー生まれの米国人フーディーニは、1926年に52歳で謎に包まれた死を遂げた。当時の報告によると、死因は「虫垂破裂(盲腸の破裂)による腹膜炎」だったが、毒殺による死亡説も唱えられてきた。

■墓を堀り起こす正式な手続きは来週に

 「法医科学が前進したことで、未解決事件の謎を解明するために、死体を墓から掘り起こし調査しようという気運が高まっている」と話すのは、フーディーニの親族、George Hardeen氏の弁護士を務めるJoseph Tacopina氏だ。フーディーニは、ニューヨーク市に埋葬されている。

 「ハリー・フーディーニの死については、謎に包まれた死から80年が経た後、毒殺された可能性を示唆する証拠が見つかっている」と、Tacopina氏は続ける。

 ニューヨーク市裁判所が承認をすれば、著名な法医学者、James Starrs博士が率いる病理学者や毒物専門家らのチームが、遺体の検査を行うこととなる。法的に死体の調査許可を求める手続きは、来週にも提出される予定だ。

■現代医学からは、不自然な死因

 これまで広く信じられてきた死因は、フーディーニが腹部への殴打に耐える奇術を見せようとした際、学生が彼の腹を連続して殴ったことによるというもの。フーディーニは殴られた時、まだ準備ができていなかったという。

 学生のこぶしによる強打により虫垂が破裂したとされていたが、Tacopina弁護士によると、現代医学ではこの死因は、不自然であることが明らかになっているという。

■奇術師フーディーニは、霊媒師を詐欺師と呼んだことからトラブルも

 奇術師であったフーディーニは、観客の面前で、手錠をされた状態でふたを釘でふさがれた木箱に入り、木箱が水に沈められた後に脱出するといった、命知らずの離れ技を行うことから人気を博し、有名になった。

 一方で、フーディーニは、当時大流行していた心霊術に対して、「死者と話ができるというのは、まやかしだ」と述べ、霊媒師のうそをあばこうとしたため恨みを買っていたといわれる。シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)を執筆したアーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)もまた、心霊術をめぐってフーディーニと仲たがいした1人だった。

 写真は、ニューヨーク市内のフーディーニの墓(2007年3月23日撮影)。(c)AFP/DON EMMERT