【ニューヨーク/米国 22日 AFP】メディア大手のNBCユニバーサル(NBC Universal)とニューズ・コーポレーション(News Corp.)が22日、ビデオ配信専門のウェブサイトの設立計画を発表した。グーグル(Google)が買収したユーチューブ(YouTube)に対抗するサイト構築を目指す。


■「史上最大のビデオ配信ネットワーク」へ

 サイト運営開始は2007年中頃を予定、両社幹部は「史上最大のビデオ配信ネットワークをめざす」と意気込みを語っている。

 新サイトでは「利用者の要望がもっとも強いテレビ番組、映画のコンテンツを配信していく」と表明。「ビデオ満載」のこのサイトは「全米の少なくとも数十のキーテレビ局、2つの大手映画スタジオが提供するテレビ番組と、映画作品の全編、およびクリップを提供する」という。

 サイトの運営開始時には「Heroes」や、「24(TWENTY FOUR)」など人気テレビ番組シリーズの全編とクリップが用意されるという。運営費用は広告収入でまかない、コンテンツは無償で提供される。

 また、全編を提供する映画としては「リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)」、「プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)」 、「ボーン・アイデンティティ(The Bourne Identity)」などが予定されている。

■全米インターネット利用者の96%をカバー

 タイム・ワーナー(Time Warner)傘下のAOL、 マイクロソフト(Microsoft)のMSN、ニューズ・コーポレーションのMySpace(マイスペース)およびヤフー(Yahoo!)などが新サイトの配給パートナーとなり、これで全米のインターネット利用者の96%をカバーするという。

 スポンサー企業にはキャドバリー・シュウェップス(Cadbury Schweppes)、CiscoEsurance、 インテル(Intel)、ゼネラルモーターズ(General Motors)などが名を連ねている。

 新企業は拠点をニューヨークとロサンゼルスにおき、当初の移行チームはNBCユニバーサルの最高デジタル事業責任者のジョージ・クリアフコフ(George Kliavkoff)氏が率いる。

■「インターネットのビデオを変える」

 ニューズ・コーポレーションのピーター・チャーニン(Peter Chernin)社長兼最高執行責任者は「このサイトでインターネットによるビデオ視聴は全面的に変わる」と語る。

 「運営開始時には、全米のインターネットユーザーのほぼ全体をカバーすることができる。利用者は自分が見たい、商品としての映像を自宅にいながらにして見ることができる。新たな事業の持つ可能性にわくわくしている。このサイトを利用したいと考えている映像制作企業、配給企業の参加はどこであろうと大歓迎する」。

 NBCユニバーサルのジェフ・ザッカー(Jeff Zucker)社長兼最高経営責任者は「新事業は知的財産権を保護された、質の高いコンテンツをファンに提供するため、事業拡大を加速することになるだろう」と語っている。

 写真はNBCユニバーサルの企業ロゴ。NBCユニバーサルはGE(General Electric)が株式の80%を所有する企業。(c)AFP