【ハバナ/キューバ 21日 AFP】ジャディラ・ガルシア(Yadira Garcia)基幹産業相は20日、報道陣に対して「病気療養中のフィデル・カストロ(Fidel Castro)国家評議会議長(80)は、近くより本格的な形で職務に復帰する」と明言した。

■「すでに指導力を発揮」と閣僚が明言

 過去40年以上にわたり議長職を譲ったことのなかったカストロ議長だが、2006年7月に腸の手術を受けた後、実弟で政権ナンバー2のラウル・カストロ(Raul Castro)第1副議長(75)に議長職を暫定的に委譲してきた。

 ガルシア産業相は「議長の回復状況は順調。すでに重要事項の決定において、指導力を発揮しており、今まで議長が先頭にたって推し進めてきた石油・エネルギーをめぐる政策にも、深く関与している」と語り、「われわれは現在、カストロ議長の指示を受けて行動している。見通しは大変明るい」と付け加えた。

■「健康状態」に、さまざまな憶測が飛び交った数か月

 カストロ議長の健康状態は国家機密とされており、同議長の病状について、キューバ政府が詳細に語るのは異例の出来事。カストロ議長の健康状態をめぐっては、過去数か月間、さまざまな憶測が飛び交い、「カストロ議長の命はそう長くはない」との米当局者の発言も伝えられた。

 政府当局は、病気療養中のカストロ議長の写真を公開してきたが、1月30日に放送されたビデオ映像では、過去のどの写真よりも健康的で機敏な議長の様子が伝えられた。

 カストロ議長の死を望み、同議長の墓地でダンスを踊ってみせたマイアミ(Miami)在住の対カストロ政権強硬派にとっては、残念な結果となったもようだ。

 写真は首都ハバナ(Havana)で12日、コロンビアのノーベル賞受賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)氏と語り合うカストロ議長。(c)AFP/COURTESY EL TIEMPO