【マドリード/スペイン 20日 AFP】工業省は20日、カナリア諸島(Canary Islands)最少の島、エル・イエロ(El Hierro)で全エネルギー源を再生可能エネルギーとする計画を発表した。

 先の欧州閣僚理事会で採択された「2007年~2009年エネルギー行動計画」に基づき、人口1万500人のエル・イエロ島のエネルギー源を水力と風力の混合発電とするという。

 ホアン・クロス(Joan Clos)工業相は、「エル・イエロはエネルギーの全てを再生可能エネルギーとする世界初のモデルケースとなる」と胸をはるが、実際の導入時期については明言を避けた。

 同工業相の説明によると、計画では2つの貯水池を有する水力発電に加え、風力発電地帯と付随する発電ポンプ装置も設置する。

 「配電ネットワークに供給される大量のエネルギーにより、水力発電所は最大容量10メガワットのエネルギーを発電する。風力発電によるエネルギーは、2つの貯水池の水を引き上げる動力として発電ポンプ施設に送られ、水力発電所の動力源となる水力を供給する」

 風力発電の余剰エネルギーは、海水淡水化施設で使用されるという。また、水源や風力不足などの緊急時に備え、既存のディーゼル発電プラントも温存する。

 クロス工業相は、同計画の意義について、「水力や風力などの複合エネルギー源を使用することで、間欠性の高かったエネルギー供給を管理下におき、持続的なエネルギー供給が可能となる」と語る。

 同計画の予算は5430万ユーロ(約85億円)で、年間1万8700トンの二酸化炭素削減を目指す。

 クロス工業相によると、政府はこのほかにも風力発電の奨励政策を随時導入していく考えだという。

 1998年に電力市場が民営化されたスペインでは、風力発電の規模ではドイツに次いで2位の地位を占める。しかし、2004年12月の発電量はドイツが1万4000メガワット、スペインが8155メガワットと、その差は大きい。

 欧州連合(EU)は3月上旬の閣僚理事会で、2010年までに再生可能エネルギーの割合目標を総エネルギーの20%に定めた。これは、日本のターゲットの3%と比較しても、意欲的な数値目標だといえる。

 写真は、エル・イエロ島の西端にあるPort of La Restinga(2007年1月16日撮影)。(c)AFP/DESIREE MARTIN