【ノボクズネツク/ロシア 21日 AFP】シベリア地方のウリヤノフスカヤ(Ulyanovskaya)炭坑で19日に発生したガス爆発事故では、これまでに107人の死亡が確認された。事故翌日の20日には、遺体を運ぶ救急車が炭鉱付近の安置所に続々到着し、泣き崩れる遺族の姿が見られた。

 遺体安置所のそばには受付のために軍用テントが張られ、遺体確認に訪れた遺族らのすすり泣きが聞かれた。

 遺体の身元確認のため遺体安置所に訪れた人々は、涙を流しながら自分の家族の身体的特徴を述べた。

 集まった遺族1人ひとりに「まだ生存者はいますか?」と聞き回るい若者の姿も見られた。

 大半の女性は親族に体を支えられやっとのことで立っていた。中には、寒さから身を守るため毛皮をまといタバコを吹かしながらたたずんでいる女性もいた。身内の死が確認された後、電話をかけに走る者もいた。
 
 数キロ離れた場所には、愛する人の突然の死というショックに見舞われた遺族の心のケアのために、カウンセリングセンターが設置された。

 同施設では、107人の名前が記載された死亡者リストに友人や家族の名前がないかを確認に訪れる人々の姿が見られた。

 炭鉱内から救助されたばかりの、30代のある炭坑作業員は「同じ作業チームの43人が亡くなった」と、まだ信じられないと言った様子で頭をふりながら語った。

「チームで私だけが生き残った。昨日は下層部まで行かなかったから。運が良かった」。

 爆発事故が発生した炭坑は、モスクワから東約3000キロにあるノボクズネツク(Novokuznetsk)市近郊、クズバス(Kuzbass)にある。クズバスはロシアの炭坑業の中心地とされる。

 当局によると、同炭坑は最新の安全装置を備えていたが、ソビエト政権崩壊以降、長期にわたる財政難のため老朽化した機器類を使うことが多かったという。

 カウンセリングセンターの前で、匿名を条件にAFPの取材に応じた炭坑作業員の話によると、クズバスの炭坑は確かに積極的に最新設備を取り入れていたがものの、作業の安全基準については疑問を感じていたという。

 取材に応じた炭坑作業員の1人は、「安全規定
? 生産計画を実行する必要があったし、より多くの収入を得たかったから、常に安全基準を優先していたわけではないよ」と述べた。

 また、別のある炭坑作業員は「安全? 要は金次第だ」と語っている。

 写真は20日、事故のあった炭鉱付近の遺体安置所を訪れた遺族たち。(c)AFP/NATALIA KOLESNIKOVA