【ワシントンD.C./米国 21日 AFP】「悪魔崇拝」を行っているかどうかを争点にした世界最大の家庭用品メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を巡る裁判で、裁判所は20日、「そのような事実はない」と認定し、原告であるP&G側の勝訴を言い渡した。P&Gはこの問題で、流通業のアムウェイ(Amway)と20年にわたり民事訴訟で争っていた。

 P&Gは、自社に対して「悪魔崇拝を行っている」との流言を広めたとしてアムウェイに対して訴訟を提起。勝訴の結果、被告のアムウェイは1925万ドル(約22億5650万円)をP&G側に支払う。ソルトレークシティー(Salt Lake City)での陪審員評決は、P&Gの「悪魔崇拝」を巡る一連の裁判の最も直近の例となり、巨額な賠償金の動くインターネット時代を象徴的に表す結末を迎えた。

 P&Gは、「悪魔崇拝」のうわさを1981年ごろから広めたとして複数の流通業者を相手取り訴訟を提起していた。うわさでは、P&Gのロゴマークが悪魔を象徴する「666」という数字を含む図柄になっているとされた。また、うわさを先導する組織のリーダーがテレビのトーク番組に出演し「P&Gは悪魔を崇拝している」と主張したり、一部収益が「悪魔の教会へ献金される」などの流言をまことしやかに語るケースもあった。

 写真は、月と星をあしらったP&Gの旧ロゴマーク(20日入手)。(c)AFP