【ワシントンD.C./米国 19日 AFP】米国政府は18日、ジンバブエの治安部隊が同国を出国しようとした野党党員に暴行し重傷を負わせたとの報道を受け、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe、83)大統領を非難する声明を発表した。

 この事件は同日、最大野党・民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)のNelson Chamisa報道官が、ハラレ(Harare)国際空港からの出国を治安部隊に阻止された上、外科手術を要するほどの激しい暴力を受けたというもので、国務省のショーン・マコーマック(Sean McCormack)報道官は、「米国は、野党活動家への弾圧や逮捕、治療のための移動制限などを継続しているジンバブエ政府を非難する」との声明を読み上げた。

 声明は、「弾圧の責任者はムガベ大統領。全ジンバブエ国民に対し、安穏に暮らす権利と政治に全面参加する権利を認めるよう、ムガベ大統領に要求する」「ムガベ大統領は、自由でオープンな政治討論を恐れており、自分に刃向かう人物には暴力で応酬すると考えている」「ジンバブエの国民も、国際社会も、ムガベ大統領の責任を追及するだろう」と続く。

■激しい暴行により活動家らが死傷

 ここ最近のジンバブエ政府による野党活動家への取り締まりの一環で、出国を拒否された野党活動家は、Chamisa報道官で4人目となる。

 ジンバブエ政府は11日、現政権への抗議集会を計画したとして、野党活動家ら10数人を逮捕。このとき、MDCの活動家であるGift Tandure氏が警察の銃弾を受けて死亡。また、MDCのモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)党首ら数人が激しい暴行を受け、病院に運ばれた。

 Tandure氏の葬儀が19日に予定されているのを受け、ジンバブエ政府に葬儀を妨害しないよう、声明は求めている。

 1980年から政権の座にあるムカベ大統領は、こうした弾圧に対する国際社会からの批判を無視する態度を崩していない。同大統領は、欧州各国に対し内政干渉しないよう呼びかける一方で、自身への暴力的なキャンペーンを展開しているとして野党勢力を非難している。

 写真はハラレで13日、裁判所を出るツァンギライ党首(中央)と、MDC系の別の派閥を率いるアーサー・ムタンバラ(Arthur Mutambara)氏(左)。(c)AFP/DESMOND KWANDE