【東京 16日 AFP】ライブドアの決算を粉飾していたなどとして、証券取引法違反の罪に問われた前社長の堀江貴文被告(34)に対し、東京地方裁判所は16日、懲役2年6か月の判決を言い渡した。

 堀江被告は、ライブドアの2004年9月期の連結決算で、3億1300万円の経常損失が発生していたにもかかわらず、約50億円の経常黒字だとする虚偽の有価証券報告書を提出したとして起訴されていた。
 
 2006年1月に粉飾決算疑惑が浮上してライブドア本社が強制捜査を受けた際、東京株式市場には売り注文が殺到してコンピューターの処理能力が限界に達したため、売買を全面停止するという東証始まって以来の緊急措置が発動された。

 オープン・ネックのシャツにダークスーツを着た堀江被告は、東京地裁に到着。数百人の報道陣が殺到するなか、ネクタイをして法廷に入った。

 小坂敏幸裁判長が判決を読み上げている間、堀江被告は渡された判決要旨をめくり、すぐに納得がいかない表情を見せた。

 同裁判長は、「同事件において、特に粉飾により多くの一般投資家を欺いた責任は重大だ」と述べ、懲役の実刑判決を言い渡した。

 かつてマスコミから時代の寵児としてもてはやされた堀江被告は判決が言い渡される間、無表情だった。途中、体調不良でいったん退廷したが、数分後、法廷に戻ってきた。

 小坂裁判長は判決読み上げ後、堀江被告に対し、ハンディキャップのある男児を持つ母親からの手紙を紹介し始めた。

「堀江前社長の『大きな夢』に勇気づけられた。ためたお金でライブドア株を購入して今でも持ち続けている」。手紙にはそう書かれていたという。

 その後、小坂裁判長は「被告を有罪とするが、被告のこれまでの生き方をすべて否定したわけではない。罪を償い、その能力を生かし、再出発を期待している」と述べた。

 検察側は前年12月に懲役4年を求刑したが、堀江被告は一貫して無罪を主張してきた。これは、有罪判決が出る確率が100%に近い日本では珍しいこととされる。同事件で起訴されたライブドア元幹部4人は、すでに自身の公判で起訴事実を大筋で認めている。

■マスコミの取材合戦が展開

 東京にあるテンプル大学日本校のJeffrey Kingstonアジア研究部長は、「堀江被告は過去6か月の公判の間、改心した様子を見せる代わりに自身を弁護するための『PR活動』を展開していた。そのため(日本の司法関係者の)感情を損ねてしまい、悪い結果を招く形になった」と指摘する。

 次週にその運命が決まるライブドア社は、先ほど発表した声明の中で「法の決定を遵守し内部経営の強化に努める」としている。

 同日、東京地裁の法廷に詰めかけた大勢のテレビ局レポーターらにより、実刑判決が下されたことが生中継された。

 堀江被告がかつて買収を試み失敗に終わったフジテレビは、同被告の大好物である朝鮮料理のレストラン店主にも取材を行った。 

 店主は堀江被告の刑期について「ずいぶん長いものに思えますが、仕方ないでしょう」とのコメントを寄せた。

 堀江被告は、美女を連れてフェラーリを乗り回し、Tシャツ姿でビジネスーツのビジネスマンらと仕事の交渉を行うことで知られ、その最盛期にはソニーの買収も検討していた。同被告はこの公判を「企業社会の体制派からの復讐」と見なしてきたという。

  写真は、16日、東京地方裁判所に到着した堀江被告。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI