【北京/中国 14日 AFP】北朝鮮核問題をめぐる6か国協議の北朝鮮代表、金桂冠(キム・ゲグァン、Kim Kye-gwan)外務次官が14日、「多忙」を理由に、訪朝中のモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、IAEA)事務局長との会談を拒否した。共同通信(Kyodo)がメリッサ・フレミング(Melissa Fleming)IAEA報道官の話として報じた。

 エルバラダイ事務局長は、前月13日に6か国協議で合意された北朝鮮によるIAEA査察官の受け入れ再開と核施設の停止・封印について協議するため訪朝したが、金外務次官は次回の6か国協議に向けた準備で多忙なため会談に臨むことができないという。

 共同通信によれば、金外務次官に代わって別の外務次官がエルバラダイ事務局長と会談したが、フレミング報道官は交渉の成果についてコメントを避けているという。事務局長が金外務次官と会談を行なう可能性について問われた同報道官は「(会談は)実施されないと思う」と答えた。エルバラダイ事務局長は14日中に次の訪問地中国に移動し、記者会見を行なう予定。

 北朝鮮は2006年10月、核開発計画をめぐり何年にもわたって開催されてきた6か国協議を無視して初の核実験を強行しているが、エルバラダイ事務局長は前月開催された6か国協議の合意事項に基づきIAEAの査察が再開されることを希望している。

 だが合意事項は順守されておらず、宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-Soon)韓国外交通商相は14日、「北朝鮮が寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設を停止・封印した兆候はない」と述べている。

 同核施設の停止・封印も6か国協議による合意事項に盛り込まれており、北朝鮮は見返りとして第一段階の重油支援を受けることになっている。核再処理施設などを含むすべての核施設を解体すれば、さらなる重油支援を受けることができ、北朝鮮は国際社会の外交上の譲歩も引き出している。

 北朝鮮は2002年12月、IAEA査察官の受け入れを拒否し、核兵器の拡散抑止を目的とした「核兵器の不拡散に関する条約」から脱退している。これにより同国とIAEAの関係は絶たれた状態にあるが、エルバラダイ事務局長は訪朝を前に「北朝鮮のIAEAへの復帰を望む」と語っていた。

 写真は12日、北京(Beijing)の国際空港で記者団に向かって話をするエルバラダイ事務局長。(c)AFP/TEH ENG KOON