【ワシントンD.C./米国 13日 AFP】抗結核ワクチンとして使用されているBCGについて、「古い」ワクチンのほうが、その後新たに培養されたワクチンより有効な場合があることが、最近の研究で明らかになった。


 パリのパスツール研究所(Pasteur institute)の研究チームが行った研究によるもので、12日刊行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載された同研究チームの論文によると、長期間にわたりBCG株の培養を繰り返す間に偶然、複数の遺伝子変化が引き起こされ、ワクチンの有効性が失われていることが判明した。そこで臨床試験を実施、新旧のBCGワクチンについてどちらがより有効かを調べた結果、「古い」BCGワクチンのほうが結核予防により効果的な場合があるという結果が得られたという。

 BCGワクチンは、ウシ型結核菌の長期間培養を繰り返すうちに、ヒトに対する毒性が失われて抗原性だけが残った細菌。特に小児疾患の予防に効果があるが、成人の予防効果についてはばらつきが大きいとされている。

 研究チームがBCG株数種について調査した結果、長期間のうちにその遺伝子配が変化していた。そこで乳幼児に対する免疫反応をそれぞれの種類について調べた結果、日本で1925年以前に培養されたBCG株は、デンマークなどで培養されている菌株よりもより強力な免疫反応を引き起こすことが分かったという。

 1996年の時点では、世界で使用されているBCGの66%が、デンマークやグラクソ・パスツール(GlaxoPasteur)の菌株を用いたものだった。

 結核は、病原菌により引き起こされる致死性の高い感染症で、主に肺など呼吸器官において発症する。長期間の咳、胸部の痛み、喀血などの症状を伴う。感染者が治療を受けない場合、死亡率は50%以上に達するとされている。
 
 写真はワクチンを注射のシリンダーに注入する保健職員(2004年11月17日撮影)。(c)AFP/THE WHITE HOUSE/DON EMMERT