【ベルリン/ドイツ 12日 AFP】地球温暖化の危機が叫ばれる中、ドイツでは研究者が「地球を救うために」遠い熱帯の島よりもバルト海沿岸のビーチで休暇を過ごすよう勧めている。「飛行機は、自動車や列車よりもはるかに多くの温室効果ガスを排出する」というのがその根拠である。

 ポツダム(Potsdam)の気候研究センターのリサーチャーであるManfred Stockさんは、「地球温暖化で夏が暑くなればなるほど、セイシェルではなく北海のジルト(Sylt)島で夏を過ごした方がベターかもしれません」と指摘する。

 ドイツ人は海外旅行好きで知られる。2006年度の世界における海外旅行関連支出額では、ドイツ人の支出が11%を占めている。しかし、上述の「行き先変更」について、自然食品など環境に優しいものを好む傾向があるドイツ人は、必ずしも否定的ではないようだ。

 ニュースチャンネル「N24」が7日に実施した世論調査では、国民の68%が「地球温暖化防止のためなら休暇を家で過ごすのもいとわない」と回答した。また、45%は「格安航空券への環境税導入を容認する」と回答した。

 ベルリンで7-11日に開催された国際旅行見本市「ITBベルリン2007」への出展各社は、地球温暖化が観光産業に与える影響に戦々恐々としている。

 同見本市で地球温暖化に関する討論会に出席したマックス・プランク協会(Max Planck institute)のリサーチャー、Stephen Bakan氏は、地球温暖化による気候変動が進むと、旅行者は行き先の変更を余儀なくされると予測する。

「アルプスの雪が減るにつれ、スキー客はスカンディナビア半島に向かうようになる。さらに、地中海のリゾート地は、ヨーロッパ北部のビーチリゾートと競合するようになる」。

 ちなみに、ドイツ人に人気の海外リゾートは、モルディブ、マヨルカ島、コルフ島である。

 写真は、バルト海沿岸のワルネミュンデ(Warnemuende)ビーチのにぎわい(2003年8月1日撮影)。(c)AFP/DANNY GOHLKE