【エルサレム/イスラエル 11日 AFP】エフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相とマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)パレスチナ自治政府議長はエルサレム(Jerusalem)で11日、この1か月未満の間で2度目となる会談を行う。しかしながら、行き詰まった状態の和平プロセスを打開する提案がなされる見込みはほとんどない。

 会談の数時間前にオルメルト首相は、週に一度の閣僚会議の席で、「アッバス議長は、パレスチナ統一政府は拉致されたイスラエル兵、Gilad Shalitさんの解放無しには樹立しないと断言した。わたしもそうなることを期待する」と語った。同兵士は約9か月前、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の軍事部門を含む、パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza)に拠点を置く武装勢力のメンバーに拉致されている。アッバス議長側は、この件についての即答は控えた。

 一方で11日の午前中、ガザ地区北部でアッバス議長の穏健派ファタハ(Fatah)の支持者たちとハマスが、前日に続いて衝突し1人が死亡、7人が負傷した。パレスチナ統一政府樹立を数日後に控え、依然として両派閥間で緊張状態が続いていることが浮き彫りになっている。2月にファタハとハマスが合意に至るまで、国内を未曾有の混乱に陥れ、死者を多数出した権力闘争に、アッバス議長は引き続き悩まされている。

 イスラエルとパレスチナ自治政府は、ファタハと欧米諸国にテロ組織と指定されるハマスによる今回の統一政府設立をめぐり、対立を深めている。欧米諸国はパレスチナ自治政府に対し、イスラエルの生存権、暴力の放棄および過去の和平協定を順守するよう求めており、イスラエル側もこれらの要求を認めない限り、いかなる形のパレスチナ政府も認めないと主張している。

 統一政府の実現は、2月8日にサウジアラビアのメッカ(Mecca)で開催された会談で合意した、画期的な権限分担に関する協定によって可能となった。しかしこの協定では、新政府はイスラエルに関して、パレスチナ解放機構(Palestine Liberation Organisation、PLO)との間での合意を「尊重する」とするアッバス議長の意見以外は触れられていない。

 欧米諸国の懸念を一掃するため、アッバス議長は和平交渉は依然として自分の責任下にあり、ハマスが新政府に加わることで中東和平プロセスが頓挫することにはならないと強調している。

 オルメルト首相は、3月28日にサウジアラビアで開かれるアラブ諸国首脳会談では、2002年にレバノンのベイルート(Beirut)で初めて提唱されたアラブ諸国の和平主導権において、「前向きな」要素が強化されることを望むと語った。同首相の支持率は、2006年にレバノンとの戦闘に勝利できなかったことや、根強く残る汚職疑惑により、わずか2%とかつてないほど低迷している。

 写真は11日、ボディーガードに警護され、閣僚会議の場に向かうオルメルト首相。(c)AFP/RONEN ZVULUN