【サンパウロ/ブラジル 10日 AFP】ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)ベネズエラ大統領などの主催する反米集会が開催される中、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は9日、中南米5か国歴訪を開始した。

 ブッシュ大統領は最初の訪問国ブラジルに到着後、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)ブラジル大統領と視察先のサンパウロ(Sao Paulo)郊外のエタノール製造工場へと向かった。

 途中、ブッシュ大統領は沿道で自身の訪問に反対する落書きや「米大統領は帰れ」などと記載された巨大な風船の辛らつな出迎えを受けた。チャベス大統領は、ブッシュ大統領の中南米歴訪を「帝国主義的な侵略行為」と批判し、米国の対外援助を「単なる施し」と呼んでいる。

 米国とブラジルは9日、石油の代替エネルギーとして注目されるエタノール分野の協力と調査に関する2国間の覚書を締結しており、両首脳はこれに合わせて同工場を視察している。

 ブッシュ大統領はルラ大統領との会談で「西半球の2大民主主義国である米国とブラジルには共通課題が多く、両国および近隣諸国の国民生活の向上へ向けて、さまざまな分野で協力可能だ」と語った。

 写真は同日、視察先のエタノール工場で、ルラ大統領と並んで手を振るブッシュ大統領(左)。(c)AFP/ANTONIO SCORZA