【ジェッダ/サウジアラビア 27日 AFP】厳格なイスラム教社会として、性別間の待遇に大きな差があるサウジアラビアだが、近年ビジネスシーンで活躍する女性も増えてきている。23日から4日間に渡って商業都市ジェッダで開催された、第8回目経済フォーラム(the Eighth Economic Forum)ではそんな女性達の主張が目立った。

■女性の社会進出の妨げとなるのは

 同フォーラム参加者の多くが、女性の能力を生かせるようさらなる働きかけが必要であり、女性の社会進出を妨げている原因は、政治よりも社会的要素にあると指摘した。

 ジェッダ商工会議所(Jeddah Chamber of Commerce and Industry)の渉外事務部で、初の女性事務部長を務めるサラー・バグダディ(Sarah Baghdadi)さんは「この5年間で、わが国の女性達は急速に社会進出を果たしてきました。」と誇らしそうに述べた。

■働く女性のため、公共規則にも変化

 また同氏は、サウジアラビアで敷かれている服装規制や運転の禁止などの厳しい法規制について、「企業は女性が働きやすい環境をつくっていくべきです。また、女性のための公共交通機関システムも必要になってきています。ロンドンでも運転はしません。それは交通機関が整っているからです。」と、強気で述べた。

 同時に、バグダディーさんは政府も女性の社会進出に好意的であると述べ、「あとは、社会全体がどのように協力的であるかにかかっています。政治面よりも社会面での障害に私たちはぶつかっています」と、家事を分担したがらない男性に対する非難を醸した。

 セキュリティー・航空サービスを扱う企業の最高経営責任者であるサミラ・ビタール(Samira Bitar)さんは、「性別間の分離が、ビジネス分野における成功の妨げとなることはなかった」と話し、「待遇差別はあるものの、協力関係の妨げとなることはありません。」と付け加えた。

■まだまだ道のりは長そうな気配

 4児の母であるビタールさんは現在40歳。
「わが国の女性達は、政府が慎重な改革策を導入して以来、目覚ましい社会進出を遂げてきました。しかしながら、女性が働きやすい社会を作りあげていくためにはまだまだ多くのことが必要なのです。」と述べた。

 政府の改革策の例として、女性を顧客対象とする店舗の経営を女性が行うことを義務づけたものがある。

「また、民間企業は働く女性に対してもっと積極的に向き合っていくべきです。女性が銀行で借り入れをする際、多くの障害がつきまとうのです。」と、付け加えた。

■経済の発展には女性の貢献必要の声も

 一方、参加した男性からは、「社会経済に対する女性の貢献がますます必要になってくる」と述べるなど、積極的な意見が目立った。

 同商工会議のサレー・トゥルキ(Saleh al-Turki)議長は、「サウジアラビア社会に存在する、全ての人的資源をうまく活用するべきである。社会が国民の一部だけに頼ることは無理なのです」と、フォーラムの開場時に述べた。

 中には、サウジアラビア社会に蔓延る女性の社会的拘束に、辛抱強く向き合っていくことを呼びかける女性もいる。

■焦らずともみるみる変化

 サウジアラビア王家の1人であるムディー・マンスール・アブドゥル・アジーズ(Mudi bint Mansour bin Abdul Aziz)は57歳で3児の母。同氏が議長を務めるサウジ環境学会(The Saudi Environmental Society)で「女性の社会的立場は改善されてきています。急ぎすぎないで、少しづつ状況は変わっていきます。」と述べた。

 空調設備供給会社に勤めるインベントリー・アナリスト(物流分析担当者)のサマー・ハミドゥディン(Samaa Hamiduddin)さんは「留学経験がなければ女性の能力が過小評価されてしまうことがある」と指摘し、女性の社会的立場を改善するには教育の質を向上させることが大切だ、と語った。

 また同氏は、商業都市であるジェッダの寛容さと、紅海に接しているという地理的な好条件を認め、辛抱強く問題と向き合っていくことを呼びかけた。

 「ジェッダの人々は開放的です。どんな問題でも話し合っていくことが可能なのです。改革は進んでいますが、社会とゆっくり対話していきましょう」と述べた。

写真は2月25日、サウジアラビアにて撮影。働く女性の姿。(c)AFP/HASSAN AMMAR