【ハノイ/ベトナム 8日 AFP】日朝鮮政府間の約1年ぶりの公式協議となる日朝国交正常化の作業部会は8日午前、ハノイ(Hanoi)の北朝鮮大使館で2日目の協議を行ったが、約45分間で協議を終了し全日程を終えた。

 協議が唐突に終了した理由について、韓国の聯合ニュース(Yonhap)は、「日本側の不誠実な態度」が原因だとする宋日昊(ソン・イルホ、Song Il-Ho)日朝国交正常化担当大使の談話を報じた。

■宋大使、「植民地時代の補償優先」

 宋大使は拉致問題での日本の姿勢について、「受け入れられない」と語ったという。また、日本側の拉致問題の再調査要求については、「植民地時代の補償協議に進展が先決だ」との認識を示した。

 一方、日本側代表の原口幸市日朝国交正常化交渉担当大使は、協議後の記者会見で「作業部会が行き詰まったわけではない」と平静な見方を示した。

 同作業部会は、2月に北京で開催された6か国協議での合意に基づき設置されたもので、7日午前に日本大使館で初日の協議を行った。しかし、日本側は拉致問題、北朝鮮側は日本植民地時代の精算問題で譲らず、協議は難航した。

■前日も午後の協議を拒否

 北朝鮮が日本の習慣や言葉を工作員に教育する要員確保を目的に1970年から80年代に行ってきた日本人の拉致について、日本側はすべての拉致被害者情報を明らかにするよう要求した。これに対し、北朝鮮は不快感を示し、7日午後の協議拒否を通告してきたが、後に8日に協議を再開することで合意していた。
 
 2006年10月の北朝鮮の核実験実施を受け、2月に北京で再開された6か国協議は、北朝鮮が核施設を稼働停止、閉鎖することを条件に、米、中、韓、ロシア、日本の5か国が北朝鮮へ安全を保障しエネルギー支援を行うことで合意した。

 しかし、エネルギー支援については、日本は拉致問題が未解決であることを理由に拒否している。現在の日本の首相、安倍晋三氏は、拉致問題での強硬姿勢で政界での地位を築いてきたことで知られる。

 写真はハノイの北朝鮮大使館で8日、作業部会後の記者会見に臨む宋大使。(c)AFP/HOANG DINH NAM