【ワシントンD.C./米国 7日 AFP】第2次大戦中の慰安婦問題に関し日本政府に謝罪を求める米下院外交委員会の決議案について、安倍晋三首相は5日、同決議案が採択されても謝罪しない意向を明らかにした。これを受けて、同決議案を起草した日系のマイク・ホンダ(Mike Honda)議員は「屈辱的」とし、遺憾の意を表明した。

 本決議案は「日本軍が1930年代の戦時中に占領下のアジア太平洋諸国で若い女性を強制的に“性的奴隷化”したという事実を、日本政府が明確に認め、謝罪し、歴史的な責任を取るべきである」という内容。

 これに対し、安倍首相は「従軍慰安婦は強制ではなく合意の上での性的関係だった。狭義の意味での強制性について裏付けのある証言はない」と反論、「慰安婦強制動員について、日本政府に責任はない。決議があったからといって、謝罪することはない」と主張した。

 1993年に日本の政府高官が「心からの深い反省とお詫びの気持ち」を表し、軍が従軍慰安婦の連行に「直接的・間接的」に関与していたことを日本政府が認めた形となる談話を発表した。今回の首相の主張は、この談話と相反するものとされる。


 一方、ホンダ議員はAFPの取材に応じて、「第2次大戦中、日本軍の命令により、韓国を中心に20万人の罪のない女性が強制的に従軍慰安婦として連行されたほか、婦女暴行やその他の卑劣な行為の犠牲となったことは明白な事実だ」と語った。

 日系人のホンダ議員は、第2次大戦中は親戚とともに日系人の強制収容に贈られた経験を持つ。

 同議員は公聴会で「(従軍慰安婦という)悲劇と不法行為について語り合い、学校教育でも指導することが重要だ」と強調。「かつて従軍慰安婦だった女性たちは高齢化し、その生存者数は日ごとに減っている。われわれは今、行動しなければ、日本政府に従軍慰安婦問題の責任を認めさせる歴史的機会を失うことになるだろう」と述べている。

 人権擁護団体も、戦時中、韓国や中国、インドネシア、フィリピン、台湾の若い女性20万人近くが強制的に慰安所へ連行されたと主張している。

 写真はワシントンD.C.のアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の事務所で開かれた記者会見に出席した元従軍慰安婦のJan Ruff O’Herneさん(83、左)とYong Soo Leeさん(78)(2月16日撮影)。(c)AFP/SVEN NACKSTRAND