【サメ/東ティモール 4日 AFP】東ティモールに駐留するオーストラリア軍率いる多国籍治安部隊は3日深夜から4日朝にかけて、反政府武装組織の指導者アルフレド・レイナード(Alfredo Reinado)少佐の潜伏先を攻撃した。少佐の行方は現在不明。4日、同組織のメンバーが証言した。

 反政府武装組織のメンバー、Gastao Salsinhaによると、4日早朝の多国籍治安部隊との衝突後、首都のディリ(Dili)南部のサメに潜伏していたレイナード少佐と連絡がとれなくなったという。

「昨夜からのオーストラリア軍との衝突以来、連絡が取れなくなった」と同組織のSalsinha。「オーストラリア軍の最初の攻撃は、深夜2時だった。催涙ガスを噴射し、一帯に火を付けた」という。

 反政府武装組織の別のメンバーは負傷しサメで治療を受けており、別のメンバー1人については行方不明で死亡している可能性もあると述べた。

 地元ラジオ局のJulio Guterres記者は4日、レイナード少佐の居場所についての情報はないとAFPに伝えた。2月27日に多国籍治安部隊に包囲された際、少佐は死ぬまで戦い続けると宣言していた。

「オーストラリア兵は、すでにレイナード少佐が潜伏していた場所に立ち入り、サメ地域も厳重な警備を敷いている」とGuterres記者は言う。

 多国籍治安部隊はレイナード少佐への攻撃で、戦車、ヘリコプター、戦闘機を用いており、住民は現場から避難させていた。多国籍治安部隊は、サメでの作戦で武装組織側の4人が死亡したが、レイナード少佐は拘束できていないと発表。

「現段階では、まだレイナード少佐を拘束できていない。しかし拘束するまで作戦を続行する」とオーストラリア国防相の報道官は4日述べた。なお、多国籍治安部隊側に死傷者はなかった。

 写真は、サメ(Same)にある反政府組織の司令部で戦闘員と並んで座るアルフレド・レイナード少佐(3月3日撮影)。(c)AFP/Candido ALVES