<第79回アカデミー賞>主要部門は分散傾向?今年のオスカー総括 - 米国
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【ロサンゼルス/米国 25日 AFP】第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)授賞式は25日17時(日本時間の26日)、ハリウッドのコダック・シアター(Kodak Theatre)で開催された。
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■ 主要部門は分散傾向?
今回の作品賞は、アクション・サスペンス映画「ディパーテッド(The Departed)」に贈られた。
2002年の香港映画「インファナル・アフェア(Infernal Affairs)」のリメイク版で、マフィアに潜入した警察官をレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)、マフィアのボス役をジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)が演じた。その他にもマット・デイモン(Matt Damon)がコリン・サリバン(Collin Sullivan)役で出演するなど、豪華キャストが勢揃いした。
主要4部門は「ディパーテッド」が作品賞、監督賞を獲得。主演女優・男優賞はヘレン・ミレン(Helen Mirren)とフォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)が獲得した。
今回のアカデミー賞授賞式の特徴としては、候補作・候補者が国際的であったこととともに、アル・ゴア(Al Gore)元大統領「主演」で環境問題を扱った「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」が長編ドキュメンタリー賞を獲得するなど、政治的な側面も見られたことが挙げられる。
■ スコセッシ監督、「6度目の正直」
6度目にして念願のオスカーを手にしたマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督は満面の笑みを見せた。プレゼンターとして登場したのはハリウッドの巨匠、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)、ジョージ・ルーカス(George Lucas)、そしてフランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)。64歳のスコセッシ監督は彼らからオスカーを手渡された。
「参りました。素晴らしい友人たちからこの賞を受け取ることができるなんて、本当にびっくりしています。デビューした37年前と同じ気持ちです」。
スコセッシ監督は「レイジング・ブル(Raging bull、1980)」や「タクシードライバー(Taxi Driver、1976)」、「グッドフェローズ(GoodFellas、1990)」などの作品を手掛けてきた。
「ずっと前から皆が私の受賞を願ってくれていました。通りで出会った見知らぬ人も『オスカーはあなただ!』と声をかけてくれたり、レントゲンを撮りに行っても(技師が)『受賞はあなたですよ』と言ってくれたりしました。友人たちも、家族も、ここにいる人々に感謝しています」
「ディパーテッド」は、マルチリンガル作品「バベル(Babel)」やクリント・イーストウッド監督が手掛けた「硫黄島からの手紙」、そして「リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)」、英国王室を描いた「クイーン(The Queen)」などを押しのけての作品賞受賞となった。
「バベル」は7部門でノミネートされたものの、作曲賞のみの受賞にとどまった。ミュージカル映画「ドリームガールズ」も同様に、8部門でのノミネートを受けたが、2部門での受賞。
■ ヘレン・ミレン、女王で「女王」に
主演男優・助演男優賞などの俳優部門では「ディパーテッド」からの受賞はなく、主演女優賞はヘレン・ミレン、主演男優賞はフォレスト・ウィテカーが受賞した。
主演女優賞を獲得したヘレン・ミレンは交通事故で亡くなったダイアナ妃を巡って揺れ動く英国王室を描いた映画「クィーン」でエリザベス2世を演じた。同じく、主演男優賞に輝いたフォレスト・ウィテカーは「ラストキング・オブ・スコットランド」でウガンダの独裁者アミン大統領を見事に演じきった。
61歳のミレンは今年、見事な演技でゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)や米国映画俳優協会(Screen Actors Guild Awards)、BAFTA賞などの映画賞を総なめにしてきたが、英国王室を称えるスピーチを行った。
「エリザベス女王は50年間もの間、英国王室の尊厳と義務、そしてヘアスタイルを保ち続けてきました。そんな彼女の勇気と堅実さに敬意を払いたいと思っています。そして何より彼女には心から感謝しています、この役を演じなかったら多分この受賞は無かったのですから」。
■ ゴア元副大統領、大統領選挙出馬?
長編ドキュメンタリー部門に選ばれたのは「不都合な真実」。環境問題を浮き彫りにしたドキュメンタリー映画に「主演」したアル・ゴア元副大統領は、「皆さん、地球上のすべての皆さん、私たちはこの危機を乗りきらなければなりません。これは、政治的な問題ではありません。モラルの問題です。行動を起こすのに、必要なものはすべてそろっています。あとは、意識だけです。意識は何度でも持ち直すことができるのです」と、歓声に湧く会場に向けて語りかけた。
ゴア元副大統領は、冗談交じりに2008年の大統領選挙への出馬を考えているそぶりを見せ、会場のスタッフに誘導されて壇上を降りた。
■ 41年ぶりノミネートで受賞!
助演男優賞で有力視されていた「ドリームガールズ」のエディー・マーフィー(Eddie Murphy)は受賞を逃し、「リトル・ミス・サンシャイン」で薬物中毒の祖父役を演じたアラン・アーキン(Alan Arkin)がオスカーを手にした。
現在72歳のアーキンは、41年前に1度アカデミー賞にノミネートされているが、今回が初の受賞となった。アーキンは「純真さ、成長、つながりをちりばめるように描いた」本作での受賞に謝意を表した。
エディー・マーフィーと共演したジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)は下馬評通り、助演女優賞を獲得した。25歳のハドソンは、家族、神様、そして映画作りに関わった全ての人々に「信じる勇気をくれた皆さんに感謝しています」と、深い感謝を示した。
■ 「パンズ・ラビリンス」、外国語映画賞を逃す
外国語映画賞には、ベルリンの壁崩壊直前の旧東ドイツを舞台にした作品「善き人のためのソナタ(The Lives of Others)」が選ばれた。
メキシコ出身の監督ギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)の「パンズ・ラビリンス(Pan’s Labyrinth)」は3部門で受賞したが、外国語映画賞受賞は逃している。
写真は同日、監督賞を受賞したスコセッシ監督とプレゼンターを務めたスピルバーグ、ルーカス、コッポラの各氏。(c)AFP/Gabriel BOUYS
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■ 主要部門は分散傾向?
今回の作品賞は、アクション・サスペンス映画「ディパーテッド(The Departed)」に贈られた。
2002年の香港映画「インファナル・アフェア(Infernal Affairs)」のリメイク版で、マフィアに潜入した警察官をレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)、マフィアのボス役をジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)が演じた。その他にもマット・デイモン(Matt Damon)がコリン・サリバン(Collin Sullivan)役で出演するなど、豪華キャストが勢揃いした。
主要4部門は「ディパーテッド」が作品賞、監督賞を獲得。主演女優・男優賞はヘレン・ミレン(Helen Mirren)とフォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)が獲得した。
今回のアカデミー賞授賞式の特徴としては、候補作・候補者が国際的であったこととともに、アル・ゴア(Al Gore)元大統領「主演」で環境問題を扱った「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」が長編ドキュメンタリー賞を獲得するなど、政治的な側面も見られたことが挙げられる。
■ スコセッシ監督、「6度目の正直」
6度目にして念願のオスカーを手にしたマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督は満面の笑みを見せた。プレゼンターとして登場したのはハリウッドの巨匠、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)、ジョージ・ルーカス(George Lucas)、そしてフランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)。64歳のスコセッシ監督は彼らからオスカーを手渡された。
「参りました。素晴らしい友人たちからこの賞を受け取ることができるなんて、本当にびっくりしています。デビューした37年前と同じ気持ちです」。
スコセッシ監督は「レイジング・ブル(Raging bull、1980)」や「タクシードライバー(Taxi Driver、1976)」、「グッドフェローズ(GoodFellas、1990)」などの作品を手掛けてきた。
「ずっと前から皆が私の受賞を願ってくれていました。通りで出会った見知らぬ人も『オスカーはあなただ!』と声をかけてくれたり、レントゲンを撮りに行っても(技師が)『受賞はあなたですよ』と言ってくれたりしました。友人たちも、家族も、ここにいる人々に感謝しています」
「ディパーテッド」は、マルチリンガル作品「バベル(Babel)」やクリント・イーストウッド監督が手掛けた「硫黄島からの手紙」、そして「リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)」、英国王室を描いた「クイーン(The Queen)」などを押しのけての作品賞受賞となった。
「バベル」は7部門でノミネートされたものの、作曲賞のみの受賞にとどまった。ミュージカル映画「ドリームガールズ」も同様に、8部門でのノミネートを受けたが、2部門での受賞。
■ ヘレン・ミレン、女王で「女王」に
主演男優・助演男優賞などの俳優部門では「ディパーテッド」からの受賞はなく、主演女優賞はヘレン・ミレン、主演男優賞はフォレスト・ウィテカーが受賞した。
主演女優賞を獲得したヘレン・ミレンは交通事故で亡くなったダイアナ妃を巡って揺れ動く英国王室を描いた映画「クィーン」でエリザベス2世を演じた。同じく、主演男優賞に輝いたフォレスト・ウィテカーは「ラストキング・オブ・スコットランド」でウガンダの独裁者アミン大統領を見事に演じきった。
61歳のミレンは今年、見事な演技でゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)や米国映画俳優協会(Screen Actors Guild Awards)、BAFTA賞などの映画賞を総なめにしてきたが、英国王室を称えるスピーチを行った。
「エリザベス女王は50年間もの間、英国王室の尊厳と義務、そしてヘアスタイルを保ち続けてきました。そんな彼女の勇気と堅実さに敬意を払いたいと思っています。そして何より彼女には心から感謝しています、この役を演じなかったら多分この受賞は無かったのですから」。
■ ゴア元副大統領、大統領選挙出馬?
長編ドキュメンタリー部門に選ばれたのは「不都合な真実」。環境問題を浮き彫りにしたドキュメンタリー映画に「主演」したアル・ゴア元副大統領は、「皆さん、地球上のすべての皆さん、私たちはこの危機を乗りきらなければなりません。これは、政治的な問題ではありません。モラルの問題です。行動を起こすのに、必要なものはすべてそろっています。あとは、意識だけです。意識は何度でも持ち直すことができるのです」と、歓声に湧く会場に向けて語りかけた。
ゴア元副大統領は、冗談交じりに2008年の大統領選挙への出馬を考えているそぶりを見せ、会場のスタッフに誘導されて壇上を降りた。
■ 41年ぶりノミネートで受賞!
助演男優賞で有力視されていた「ドリームガールズ」のエディー・マーフィー(Eddie Murphy)は受賞を逃し、「リトル・ミス・サンシャイン」で薬物中毒の祖父役を演じたアラン・アーキン(Alan Arkin)がオスカーを手にした。
現在72歳のアーキンは、41年前に1度アカデミー賞にノミネートされているが、今回が初の受賞となった。アーキンは「純真さ、成長、つながりをちりばめるように描いた」本作での受賞に謝意を表した。
エディー・マーフィーと共演したジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)は下馬評通り、助演女優賞を獲得した。25歳のハドソンは、家族、神様、そして映画作りに関わった全ての人々に「信じる勇気をくれた皆さんに感謝しています」と、深い感謝を示した。
■ 「パンズ・ラビリンス」、外国語映画賞を逃す
外国語映画賞には、ベルリンの壁崩壊直前の旧東ドイツを舞台にした作品「善き人のためのソナタ(The Lives of Others)」が選ばれた。
メキシコ出身の監督ギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)の「パンズ・ラビリンス(Pan’s Labyrinth)」は3部門で受賞したが、外国語映画賞受賞は逃している。
写真は同日、監督賞を受賞したスコセッシ監督とプレゼンターを務めたスピルバーグ、ルーカス、コッポラの各氏。(c)AFP/Gabriel BOUYS