【ロサンゼルス/米国 25日 AFP】第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)授賞式が25日、コダック・シアター(Kodak Theatre)で開催された。長編ドキュメンタリー賞はアル・ゴア(Al Gore)元米副大統領の地球温暖化への取り組みを描いた「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」が受賞した。

■喜びを分かち合いたい

 膨大な量の科学データを用いた同作品は、気候変化を認めることを拒否する一部の「懐疑的な人々」への痛烈な反論を展開している。

 メガホンを取ったのはデイビス・グッゲンハイム(Davis Guggenheim)監督だが、ゴア氏は自身の個人的な記憶なども用いて、地球温暖化に関しての説得力のある論説を展開している。

 「この作品には感銘を受けた。この喜びを分かち合いたい」と、グッゲンハイム監督は受賞に際して、ゴア氏に語った。

■地球温暖化にもっと関心持って!

 2008年の米国大統領選挙出馬が取りざたされているゴア氏だが、今回の受賞を機に、地球温暖化への関心をもっと深めてもらいたいと語った。

 「皆さん、地球上のすべての皆さん、私たちはこの危機を乗りきらなければなりません。」ゴア氏は続けた。「これは、政治問題ではありません。モラルの問題です。行動を起こすのに、必要なものはすべてそろっています。あとは、意識だけです。意識は何度でも、持ち直すことができます。」

■同作品で歌曲賞も受賞

 同作品の挿入歌「I Need to Wake Up」で、歌曲賞にノミネートされた歌手のメリッサ・エスリッジ(Melissa Etheridge)もゴア氏に賛辞を贈った。「この映画で警笛を鳴らしてくれたことに感謝しています。地球を守るということに、共和党だろうが民主党だろうが、赤だろうが青だろうが関係ありません。私たちはみな、緑なんです。今、取り組まなければならない問題なんです。」

 ゴア氏が作品で主張しているのは、地球温暖化は正真正銘の重要な問題だということ。そして、人間が引き起こした問題だということ。近年の研究をもとに、こう断言し、膨大な量のデータをもとに、気温の上昇がどのように地球を脅かすのかを描いている。作品の中で、最も印象に残る映像は、氷河と雪山の昔と現在を写したものだろう。

 そのほかにも、65万年に及ぶ歴史の中で、最高密度の二酸化炭素を含んでいる南極の氷の研究なども紹介している。科学の専門家らは、作品で描かれているこうした論説の真実性を認めている。

 気候の専門家によるブログ「RealClimate」は、同作品を「最新の研究材料を用いて描かれた、これまでで最も注目すべき作品」と評している。

 ゴア氏は、作品を前向きなコメントで締めくくっている。これまでに被った被害を元に戻せる可能性はあると述べ、植樹などの運動により、二酸化炭素の排出を削減できるのだから、と語っている。

■2008年大統領選の出馬は・・・

 2008年の大統領選出馬に関しては、本作品で築き上げた好意的なイメージにより、ゴア氏が出馬に向かう可能性はある、と分析する専門家もいる。同氏は2000年の大統領選で、ジョージ・W・ブッシュ(%%George
W.Bush%%)にわずかな差で敗れている。

 次回の大統領選への出馬の可能性は限りなく低いと明言してきたゴア氏だが、出馬を完全否定することはなかった。「もう一度立候補する予定はありません。今後、出馬する可能性が全くないとは言い切れませんが、現時点では出馬することを考えていません。」

写真は、受賞後にスピーチをするアル・ゴア氏(左)。(c)AFP/Gabriel BOUYS