【ラサ/中国 25日 AFP】1週間の旧正月(春節)休暇を利用して中国本土から大勢の観光客が訪れ、チベット自治区の都ラサ(Lhasa)はかつて無いほどのにぎわいを見せている。

 公式には25日で休暇は終了だが、今年はチベットの正月と日付が重なったこともあり、ポタラ宮(Potala Palace)やジョカン寺(Jokhang Temple)などは祈りをささげる地元信者に混じって多くの中国人観光客で混雑している。

 上海にあるチベット旅行専門旅行社Yaji travel agencyのZhou Hui氏によると、中国の統治下になって50年、政治的に緊迫した地域であるチベットへの旅行にパッケージツアーが主流だという。「正月特別記念ツアーは完売。お客さんが来ても追い返さなきゃいけません」。

 プランは6日間~12日間で、値段は3600元~1万元(約5万6300円~15万6400円)。都心部1人当りの平均所得が1万1800元(約18万5000円)であるから、つまり「世界の屋根」は中国の上流階級にしか手が届かないということになる。

 観光ブームは一部地元住民に豊かな暮らしをもたらすかもしれない。だが、これまで外国人旅行客を相手にしてきた地元旅行者が、どれほどの恩恵を受けられるかは疑問だ。

 地元旅行社「Windhorse travel service」のJampa氏いわく、「中国人旅行客は文化には関心がない。彼らの目当ては物価の安さ、つまり買い物だ。欧米からやってくる観光客とは、観点が全く異なる」という。押し寄せる中国人観光客のおかげでホテルの建設ラッシュに沸くラサの街は、次第に中国本土の雰囲気を醸しつつあるのが実情。Jampa氏も「いくぶん問題があることは当局も認めているが」としながらも「今後はもっと配慮がなされるようになるだろう」と将来への期待を示した。

 写真は22日、ラサのBarkhor Squareでガイドブックを広げる中国人観光客。(c)AFP/Peter PARKS