<第79回アカデミー賞>オスカー像を取り巻く、行き過ぎた警備態勢 - 米国
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【ハリウッド/米国 23日 AFP】映画界の大物が一堂に集まる第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards) を25日に控え、ハリウッドでは厳重な警備態勢を敷く準備が進められている。
■厳重な警備態勢
コダック・シアター(The Kodak Theatre)周辺の道路は警備隊によって封鎖され、会場へ向かうセレブを乗せたリムジンまでもがIDチェックを受けることになる。「このような大イベントには厳重な警備が必要でしょう」と、ロサンゼルス当局の警部補ポール・ヴァーノン(Paul Vernon)氏は語る。
「ロサンゼルス市にとって、このアカデミー賞授賞式は最も重要なイベントです。世界中がこのハリウッドに注目する瞬間です。今までに大きな事故が起こったことはありませんが、万が一に備えての警備態勢なのです」と、同氏は述べた。
■当日に向けて訓練中
またヴァーノン氏は、コダック・シアターの屋上に狙撃兵を置くことについては、明確にしなかった。警察犬隊や爆弾処理隊員など「数百人」を配置すると述べるに留まった。さらに、消防隊員たちは危険物処理を担当し、当日に向けて訓練を行っているという。
アカデミー賞授賞式は25日午後5時(日本時間26日午前9時)に始まる予定で、会場となるコダック・シアターには3400人のスターたちが集まり、テレビを通して世界中がこの一大イベントに注目する。19日には警備隊が会場周辺の道路で交通規制を始め、当日は計12の道路が封鎖される。
■スターたちの安全確保
「可能な限りの事を行い、会場を訪れるスターたちの安全を確保します。そして会場を訪れる皆さんが素晴らしい時間を過ごせるように務めを果たします」と、語るのは映画芸術科学アカデミー(The Academy of Motion Picture Arts and Sciences)通信担当のジョン・パブリック(John Pavlik)氏だ。
南カリフォルニア大学 (University of Southern Californiade)で国土安全危機評価、緊急事態管理・移送を専攻した専門家のランドルフ・ホール(Randolph Hall)氏は、このような世界的イベントではテロリスト攻撃の危険率は極めて低いと語る。
■行き過ぎの声も
「このような一大イベントでは、テロリズムなどの危険があると想像しがちです。しかしながら、以前にそのような事件が起こった例はありません。あったとすれば、ミュンヘン五輪くらいのものでしょう」と、同氏は述べた。これまで取られてきた安全対策としては、熱狂的ファンや激しいパパラッチたちをけん制する目的だった、と同氏は付け加えた。
しかしこの厳重すぎる警備態勢が、権威の見せつけだと批判する声もある。
アカデミー賞の安全に関してコラムを書いている「バラエティ(Variety)」の編集長ピーター・バート(Peter Bart)氏は、「テロリストはどこにでもいます。そして誠意を持って警備に当たり、安全の確保に務める警備員には皆感謝しています。しかし、自国の警備隊におびえてしまうほどの厳重な警戒態勢が必要かどうか、権限とでしゃばりの境界線について今一度考え直す必要があるのではないでしょうか」と語った。
写真は授賞式の準備に追われるコダック・シアター前にて。22日撮影。(c)AFP/GABRIEL BOUYS