【マイアミ/米国 21日 AFP】元プレイメイトのアンナ・ニコル・スミス(Anna Nicole Smith)さんが死去してすでに12日が経過したが、スミスさんの母親と恋人の争いが続き、遺体が埋葬されない状態がいまだ続いている。石油王J・ハワード・マーシャル(J. Howard Marshall)氏の未亡人だったスミスさんの遺産相続争いに、全米の報道は過熱気味である。遺体をどちらが引き取るかに加え、生後5か月の遺児ダニエリン(Dannielynn)ちゃんの「父親確定問題」が事態をさらに複雑にしている。

 母親と恋人は埋葬場所を巡って争っている。フロリダ州裁判所のLarry Seidlin判事は21日の審問で、係争の当事者に対し「スミスさんの遺体が急速に腐敗し始めている」と指摘し、早急に合意するよう要請した。審問にはスミスさんの母親のVirgie Arthurさん、スミスさんが死去するまで長年恋人だった弁護士ハワード・K・スターン(Howard K.Stern)氏、かつての恋人のラリー・バークヘッド(Larry Birkhead)氏が出廷した。2人の恋人はともにダニエリンちゃんの父親として名乗り出ている。

 母親のArthurさんは遺体を故郷のテキサスに埋葬することを希望。一方のスターン氏は、スミスさんが生前、2006年9月に当時20歳で死亡した息子が埋葬されているバハマ(Bahamas)への埋葬を希望していたと主張している。

 判事はまた、前週スターン氏が公開した2001年作成とされるスミスさんの遺言状の信憑性についても疑義を表明した。遺言状はスターン氏を遺言執行者としている。判事はこの遺言状について「不備が多すぎる」と指摘、特に「夫、後継者、将来の夫及び子供には相続の権利はないものとする」との項目を挙げ、「このような条項に署名する女性が米国に存在するとは思えない」と語った。

 写真は生前の2006年2月28日、スターン氏(左)とともにワシントンD.C.の最高裁に入廷するスミスさん。(c)AFP/NICHOLAS KAMM