【シドニー/オーストラリア 20日 AFP】タスマニアデビル(Tasmanian devil)が「デビルがん」により、絶滅の危機にひんしている。そのため、過去最大規模の会議が、20日に開催される。

■10年以内に絶滅する可能性も

 専門家が19日、明らかにしたもので、デビルがんは1996年に初めて報告された。感染すると、顔面に腫瘍ができ、これが肥大化して口がふさがれ、あごが侵されることもある。生理学的に異なるものの、エイズ同様の非常に高い致死率で知られるが、原因は不明。

 タスマニア大学のHamish McCallum教授(野生動物研究)は、この病気は突然変異で生まれたものであり、求愛行動などでかまれた際にできた傷により急速に広まったと考えている。他の動物への感染例は報告されていないという。しかし、この病気によりこれまでに生息個体数が70%も減少した地域もあるという。

 また、同教授は「この病気は感染から6か月後にほぼ間違いなく死に至ることから、タスマニアデビルは10年以内に絶滅する可能性がある」と警告している。

■ワーナーブラザーズも保護への支援を開始

 こうした事態を受け、環境当局はこのほど、健康な個体をオーストラリア本土の動物園に移し、感染した個体を群れから隔離するという対応措置を開始した。

 タスマニアデビルをモデルにした人気キャラクター「タズ」を生み出したワーナーブラザーズ(Warner Bros)も、タスマニアデビルを保護する研究への支援を名乗り出た。ワーナー社はオーストラリア当局に対して「タズ」のぬいぐるみやフィギュアの販売権を認可している。

写真は、タスマニア島の野生動物保護区で撮影されたタスマニアデビルの親子。(c)AFP/Peter PARKS