【ハリウッド/米国 19日 AFP】第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)で作品賞をはじめ4部門にノミネートされた映画「硫黄島からの手紙(Letters from Iwo Jima)」、そのなかで脚本賞のノミネートされ、オスカーの栄冠に近づきつつある日系米国人のアイリス・ヤマシタがインタビューに答えた。

■プログラマーから脚本家

 ヤマシタは「硫黄島からの手紙」の脚本製作にあたり製作総指揮を務めるポール・ハギス(Paul Haggis)のアプローチを受けたとき、彼女は2002年に映画脚本コンテストで勝利した経験を持ってたが、無名のウェブ・プログラマーにすぎなかった。

 第二次世界大戦の中でも、戦史に残る激戦の地となった硫黄島の戦いを日本側の視点から描いた全編日本語の映画の脚本製作にあたり、戦後、米国のミズーリ州に移住した両親のもとに生まれたヤマシタは、執筆活動の初期に東京大空襲の前夜を描いた話を執筆しており、文化的な問題を理解することができる作家として、ハギスの目に止まった。

 依頼を受けたヤマシタは「とても非現実的な話だった」と語る。ハギスから依頼を受けた際、「私の本業はプログラマーですよ」と話すとハギスは「OK、今の仕事を辞めても大丈夫だよ」と話したと答えた。

■台詞が自然であるかを常に確認

 ヤマシタは日本語を話すことは出来るが、英語が母国語のため、彼女の脚本は日本人出演者のために翻訳が必要だった。そのため出演者である日本人俳優の渡辺謙(Ken Watanabe)からセリフの微調整に取り組んだことを明らかにした。「ケン(渡辺謙)は、台詞が自然であるかどうかを常に確認していたわ。」とインタビューに答えた。

■「敵側」の視点

“敵”の視点に立った戦争映画を製作するということにヤマシタは大きな魅力を感じた。「数年前にドイツ映画『U・ボート(原題:Das Boot)』を見る機会があったんですけど、見る直前までは“ドイツ側から見た第二次世界大戦?一体どういうものなのかしら?”なんて考えていたわ。」とヤマシタは答えた。「でも映画を見終えた後はとても興奮したわ!子供の頃からテレビで戦争映画はたくさん見てきたけど、敵の実像なんて描かれていなかったし、私自身も考えたこともなかった。だから敵側の視点から描かれたこの映画はとても興味深かったの。」とインタビューに答えた。

 写真は、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Pictures Arts and Sciences)提供によるアイリス・ヤマシタ(2007年1月23日撮影)。(c)AFP/HO/A.M.P.A.S.