【アトランタ/米国 17日 AFP】早急に抜本的な対策が講じられない限り、何千種ものカエルが恐竜と同じ絶滅の運命をたどると、科学者らは警告を発し、ノアの箱船型保護措置の必要性を訴えた。

 科学者のKevin Zipple氏は「6000種のうち、およそ3分の1から2分の1が絶滅の危機にひんしている」と語り、他の科学者らとともに、世界中の動物園、水族館および植物園に対してカエルの保護を呼びかけている。同科学者らは、絶滅の原因となる「ツボカビ症」菌が除去されるまでの間、保護を継続する必要があると言う。

 大洪水から世界中の動物を救ったとして聖書に登場する「ノアの箱船」にちなんで名付けられた「両生類箱船」計画のメンバーであるZipple氏は同計画について「種の保全をめぐる、人類史上最大級の取り組み」と語る。

 同氏は今週、ジョージア州アトランタで開催された会合に出席し「恐竜の絶滅以来、これほどの危機に直面したことはない」と述べた。同会合には、両生類箱船計画にかかわった世界8か国の科学者らが参加している。

 真菌性のツボカビ症は1年間に10種のペースでカエルを死滅させ、急速な広がりを見せている。対策が講じられなければ、現在確認されている6000種うち約半分のカエルが絶滅する可能性があるという。

 また、いまだ確認されていない約3000種のカエルも、その存在が記述も分類もされぬまま絶滅する可能性があるという。

 ツボカビは、ケラチンが含まれるカエルの皮膚に感染し、皮膚呼吸を妨げる。

 Zipple氏は、1種類のカエルから取得される化学物質がエイズ(AIDS)ウイルスを抑止する化学物質と関連性を有するとの研究結果が得られたことを指摘し、医薬上の有用性に鑑みると、よりいっそうカエル保護の重要性は高いという。

 Zoo Atlantaで開催された会合で科学者らは、資金集め、常勤職員採用および立法を求める陳情ならびに世界中の規制機関に関する計画について議論した。

 科学者らは両生類箱船計画の実施には約4億ドル(約477億6000万円)かかると考えている。愛らしい外見で人気のあるパンダや、人気の狩猟の対象となる種に比べてカエルは人気があるとは言えず、保護活動が難航しているという。

 写真は、ドイツ東部のエーベルスワルデ(Eberswalde)にある動物園で体長を測られているニューギニア産のカエル。同動物園では、飼育している1400頭の動物の大きさを年に1度測定している。(2006年11月30日撮影)(c)AFP/DDP/MICHAEL URBAN