【ベルリン/ドイツ 18日 AFP】8日から18日まで開催される、第57回ベルリン国際映画祭(The 57th Berlin International Film Festival)で17日、コンペティション部門の授賞式が行われ、金熊賞(Golden Bear)にはワン・チュアンアン(Wang Quan-An)監督の「Tu Ya De Hun Shi(英題:Tuya’s Marriage)」が輝いた。

■金熊賞は中国映画「Tu Ya De Hun Shi」

 遊牧民の女性と二人の夫を描いたワン・チュアンアン(Wang Quan-An)監督は、審査委員長を務めるポール・シュレイダー(Paul Schrader)氏から金熊賞のトロフィーを授与された際に、「映画を撮り始めた時、私の恩師は、映画は夢を見せてくれるものだと教えてくれました。この作品は私の夢を叶えてくれました。」と中国での旧正月にこのようなプレゼントをもらえるとは思ってもいなかったと受賞の喜びを語った。

 同作品は10日に行われた上映会後に受賞が有力視され、優秀な作品が少ないと言われていた今映画祭で、コンペティション部門22作品の中から見事最優秀作品に選ばれた。この作品は、モンゴルの大草原で愛か家族の生き残りかを選択しなくてはならない女性の話を描き、中国の過疎化による劇的な社会や経済の影響を表現した。

■銀熊賞・主演女優賞はニーナ・ホス

 銀熊賞(Silver bear)・主演女優賞には、クリスティアン・ペツォルト(Christian Petzold)監督の「Yella」に出演した女優のニーナ・ホス(Nina Hoss)が受賞した。ホスは、東ドイツから逃亡し西ドイツでの新しい生活を始めるための結婚に失敗する無職の女性を演じた。作品の最後での予期せぬ展開は、実存主義の「ホラー映画」とされている。ホスは受賞の喜びを「(「Irina Palm」で主演した)マリアンヌ・フェイスフル(Marianne Faithfull)が受賞すると思っていたわ。」と驚きを隠せない様子で話した。

■銀熊賞・主演男優賞はフリオ・チャベス

 銀熊賞・主演男優賞には、アルゼンチン/フランス/ドイツ合作映画「El otro(英題:The Other)」で父親の病気と妻の妊娠を機に新しい生活を始める男性の役を演じたフリオ・チャベス(Julio Chavez)が受賞した。

■銀熊賞・最優秀監督賞はヨセフ・シダー監督

 銀熊賞・最優秀監督賞には、イスラエル映画「Beaufort」を手掛けたヨセフ・シダー(Joseph Cedar)監督が受賞した。シダー監督は同作品で、2000年にレバノンから引き揚げた最後のイスラエル部隊の悲惨さを描き、感情に訴える作品を製作した。この作品について「私は全ての人に戦争の恐怖とその中にある勇敢さを見つけて欲しい。」とシダー監督と語っている。

■アルフレート・バウアー賞はパク・チャヌク監督

 アルフレート・バウアー賞(Alfred-Bauer-Prize)にはSFロマンティック・コメディの「I’m A Cyborg, But That’s Ok」を手掛けたパク・チャヌク(Park Chan-Wook)監督が受賞を果たした。チャヌク監督は「この受賞の喜びを妻と分かち合いたい。妻は私が監督であることを喜んでいないんだ。常に忙しくて数週間家に帰っていないし、たとえ家に帰ったとしても他のことで頭がいっぱいなんだ。でも今はここでこの受賞を一緒に分かち合ってくれている。きっと許してくれると思っている。家に帰ったら、友人に『旦那は監督なの。でもそれでいいわ。』と話してくれるだろうと思っているよ。」と喜びを語った。

■有力候補の「Die Falscher」、「Obsluhoval jsem anglickeho krale」は受賞ならず

 受賞が有力視されていたドイツ/オーストリア合作映画「Die Falscher」(英題:The Counterfeiters)とチェコ/スロバキア合作映画「Obsluhoval jsem anglickeho krale(英題:I Served the King of England)」は受賞からもれた。11日間に亘り370作品以上の作品が上映された今映画祭は18日に閉幕する。

 写真は、金熊賞を受賞しトロフィーを手にポーズをとるチュアンアン監督と同作品の主演女優を務めたYu Nan(左)。(c)AFP/DDP/MICHAEL KAPPELER