【ロサンゼルス/米国 17日 AFP】「くまのプーさん(Winnie the Pooh)」のキャラクター使用権をめぐる裁判で16日、ウォルト・ディズニー(Walt Disney Co.)側の敗北が明らかとなった。

 「くまのプーさん」の著者A.A.ミルン(A.A. Milne)氏の孫娘クレア(Claire)氏はディズニーの支援を受けて、現在、「くまのプーさん」の使用権を所有するスティーブン・スレシンジャー(Stephen Slesinger Inc)を相手取り、使用権返還を求める訴訟を起こしていた。

 カリフォルニア(California)州連邦地裁は略式判決で、プーさんのキャラクター使用権を主張していたスティーブン・スレシンジャーに使用権を認める判決を下し、使用権返還を求めていた原作者の子孫の敗北が決定した。

 スティーブン・スレシンジャー側の弁護士は、「裁判所は再び、ディズニーの訴えは不適切であるという判決を下した。ディズニーが起こした見当違いの訴えは退けられた。今後は係争中のディズニーによる名誉棄損、著作権侵害、契約違反、著作権使用料の不当な過少支払いに対する当社からの訴えに集中できる。損害賠償に200億ドル(約2兆3880億円)超を要求する」との声明を発表した。

 スティーブン・スレシンジャー社の創始者スレシンジャー氏は1930年代に、「くまのプーさん」の著者A.A.ミルン氏本人から、米国での使用権を購入した。スレシンジャー氏の妻は夫の死後、ディズニーとの使用権許諾交渉に同意。最初の合意は1961年に行われ、1983年には契約を更新したものの、ディズニーが数億ドル規模の著作権使用料を不当に支払っていないと主張していた。現在ディズニー側の弁護士からコメントは出されていない。

 写真はフロリダ州のディズニーワールド(Disney World)に登場した金色の耳のミッキーマウス(2005年5月5日撮影)。(c)AFP/Robert SULLIVAN