【カンヌ/フランス 15日 AFP】南部カンヌ(Cannes)で15日、ジャック・シラク(Jacques Chirac)仏大統領とアフリカ30か国あまりの代表が参加する、「仏・アフリカ首脳会議(Africa-France summit)」が開幕した。5月に任期を終えるシラク大統領にとって、最後の国際舞台となる。

 2期12年間を務めた74歳のシラク大統領は、第3期目を務める意志はなく、数週間以内に政界からの引退を表明すると見られている。

 高級リゾート地、リビエラ(Riviera)で2日間行われる会議には、シラク大統領のアフリカの盟友、カメルーンのポール・ビヤ(Paul Biya)大統領やオマル・ボンゴ・オンディンバ(Omar Bongo Ondimba)ガボン大統領も出席する。オンディンバ大統領はアフリカで最長の任期を務める大統領。

 セネガルのアブドゥラエ・ワッド(Abdoulaye Wade)は、夕刊紙「ルモンド(Le Monde)」とのインタビューで「シラク大統領がアフリカ諸国のため、協議の場を設けてくれた」と感謝の意を示す。

 「主要国首脳会議(G8)メンバー国や欧州連合(EU)とアフリカの間に問題が生じた時に、我々がまず相談するのはシラク大統領だ」

 シラク大統領がアフリカ諸国との別れを惜しむなか、同大統領が貧困に苦しむアフリカの苦境を救ったとする見方に懐疑的な向きも多い。

 4月から5月にかけて行われる大統領選に立候補した社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)元環境相は、シラク大統領はフランスとアフリカの共通利益よりも「個人的な友情」を育んだ結果、フランスのイメージを傷つけたと手厳しい。

 写真はカンヌで15日、ジブチのイスマイル・オマレ・ゲレ(Ismail Omar Guelleh)大統領と握手を交わすシラク大統領(左)。(c)AFP / PATRICK KOVARIK