【ルクセンブルク 14日 AFP】国際原子力機関(IAEA)のムハンマド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長は13日、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で、北朝鮮がエネルギー支援と引き換えに、30日以内に核施設の稼働を停止する内容で合意したことについて、「正しい方向への1歩だ」と歓迎し、査察再開に向けた準備を開始することを発表した。

 北朝鮮は2002年、核爆弾の開発に関する米国の非難を受け、IAEAの査察官を国外退去させ、続いて核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言した。

■査察再開に必要な理事会の承認は3月5日か

 訪問先のルクセンブルクで、ジャン・アッセルボルン(Jean Asselborn)外相との共同記者会見に臨んだエルバラダイ事務局長は、「IAEAは北朝鮮を再び訪れ、同国の核開発すべてについて、平和目的であるかどうかを確認することになる」と述べ、今回の合意を「良いニュースだ。(核放棄)プロセスの始まりだ」と評価した。

 また、エルバラダイ事務局長がコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官に対し、6か国協議の合意に基づく監視および検証の実施にあたって、理事会の承認を得られるとの見通しを語ったといわれる。
 
 査察チームが北朝鮮に戻るには、35か国で構成するIAEA理事会での承認が必要となる。IAEA本部のあるウィーン外交筋によると、3月5日に同地で開催される予定の次回定例理事会で、承認される見込みとなっている。

■関係者は「正式な査察開始」の通知を待つ

 本部では同日、関係者らが査察再開に向けた準備に追われたが、「任務の具体的内容に関してはまだ何の通知も受けていないようだ」という。また別の外交筋は、「正式な要請があり、明確な任務が確定し次第、直ちに査察チームが活動を開始するだろう」と述べた。

 事情に詳しいある外交官はIAEAは北朝鮮査察に関して、不測の事態に備えた「緊急時対策」も用意されていると語っている。

 IAEAは原子力の軍事目的での転用を防止することを目的として、NPTが定める核兵器製造禁止義務にかかわる包括的保障措置の検証を行っている。

 写真は、北朝鮮・寧辺(ヨンビョン、Yongbyon)の核施設の衛星写真(2005年9月11日撮影)。(c)AFP/DIGITALGLOBE-ISIS