【東京 12日 AFP】12日、南極海で調査捕鯨を実施中の日本鯨類研究所の調査船、海幸丸と、反捕鯨を掲げる米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の船が衝突、双方の船が部分的に損傷した。水産庁は同日、シー・シェパードの活動を「テロリスト」と表現し非難した。同庁によると海幸丸はプロペラを損傷し、緊急信号を発したという。

■豪、ニュージーランド政府に団体の活動制止を要請

 水産庁遠洋課捕鯨班の諸貫秀樹班長は12日、「これは環境保護団体ではない。テロリストだ」と強い非難を表明した。日本政府は同日、オーストラリアおよびニュージーランド政府に対し、両国の海域内にいるシー・シェパードの活動を制止するよう要請した。両国は日本の捕鯨活動には反対している。

 諸貫班長によると、海幸丸は転覆に至らず洋上にとどまっており、「船舶会社とプロペラ損傷に関するさらなる情報を収集・交換している段階」としながらも、損傷の度合いによっては引き上げざるをえないかもしれないとしている。

■両者の主張は真っ向から対立

 シー・シェパードのポール・ワトソン(Paul Watson)代表は、同グループの船は日本の捕鯨船団に接近し、捕獲された鯨が入っていたタンクを救出したと述べた。衝突についてはその後、シー・シェパードの別の抗議船から逃れようとした海幸丸が後退し、同団体の1隻に衝突したと主張する。

 一方、水産庁はこれを否定。シー・シェパードの船2隻が、海幸丸の前後をはさんで攻撃し、「プロペラを壊そうと彼らが投げてきた照明弾と結んだロープが、プロペラに命中した」と諸貫班長は反論する。

 3日前の9日にも、シー・シェパードの船2隻が調査船団の母船、日新丸に対し酸性液体が入った瓶を投げつけ攻撃した。その際、シー・シェパード側の活動家2人が乗ったゴムボートが一時行方不明となり、日新丸も捜索活動を支援、約7時間後にシー・シェパード側が不明ボートを発見、救助した。

 今回の事件に関連して諸貫班長は「日本の乗組員が“シーマンシップ”を見せて彼らのメンバーを助けても、彼らは救助されたとたん、再びわれわれを攻撃をしてきた」と怒りをあらわにした。衝突時、捕鯨船はクジラの頭数を推計するための「非致死的調査」を行っており、捕殺していなかったという。

 写真は12日にシー・シェパードが公表した日本側の調査捕鯨船、海幸丸。(c)AFP/Sea Shepherd Conservation Society