【サンフランシスコ/米国 9日 AFP】動画投稿ウェブサイト「ユーチューブ(YouTube)」がインターネット検索大手「グーグル(Google)」に買収された際、ユーチューブ創設者の2人が数百億円相当のグーグル株を取得していたことが8日、グーグルが証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)に提出した文書で明らかになった。

 証取委の資料によると、ユーチューブのチャド・ハーレー(Chad Hurley)最高経営責任者は、約3億2800万ドル(約398億円)相当のグーグル株69万4087株のほか、1950万ドル(約23億7000万円)相当のグーグル株4万1242株を信託基金として取得している。

 一方、スティーブ・チェン(Steve Chen)最高技術責任者も、2億9550万ドル(約358億円)相当のグーグル株62万5366株を取得したほか、3247万ドル(約40億円)相当の6万8721株を信託基金として受け取った。

 このほか、共同設立者ながら現在はユーチューブを退職しているジョード・カリム(Jawed Karim)氏も、6490万ドル(約78億6000万円)相当の13万7443株を取得している。

 また、ユーチューブに1150万ドル(約14億円)もの巨額な資金を出資したベンチャーキャピタル「セコイア(Sequoia Capital)」も、4億4464万ドル(約539億円)相当の94万1027株を取得したとみられる。

 ユーチューブ創設者のハーレー氏とチェン氏は、1999年にオンラインウェブ決済サービス「ペイパル(PayPal)」の同僚として出会った。3年前、ペイパルがインターネットオークションサイト「eBay」に15億ドル(約1800億円)で買収されたため、ハーレー氏は独立しコンサルタント経営を始めた。一方、チェン氏は同社に残り、中国進出などを手がけている。

 2005年1月、ペイパル元社員の会合で再会した両者は、一般ユーザーが家庭用に撮影したビデオ映像をネット上で共有するサービスを設立する話で意気投合、ペイパルの元同僚だったカリム氏を加えた3人で、同年4月、ユーチューブを立ち上げた。

 2006年11月、ユーチューブはグーグルに16.5億ドル(約2003億円)で買収され、若者によるベンチャー企業の成功物語として羨望をあつめた。グーグルの企業買収で16.5億ドルは最高額。

 写真はスイスのダボス(Davos)で開催された世界経済フォーラム(WEF)で1月27日、「The Impact of Web 2.0 and Emerging Social Network Models」のセッションに出席したハーレー氏。(c)AFP/JOEL SAGET