【ハノイ/ベトナム 6日 AFP】英国の国際開発庁は5日、地球温暖化による海水面上昇の影響で、最も深刻な被害を受ける国はベトナムとなる可能性を指摘した。

■高度経済成長を続けるベトナム自体も、環境破壊の起因となっている

 同庁幹部のMark Lowcock氏は「多くの気象予測によると、地球温暖化による水位上昇で、バングラデシュの低地帯と同様、ベトナムも多大な被害を受ける。これによりベトナム全人口の4分の1近くが直接的影響を受けるだろう」としている。

 気象変動は、深刻な被害をもたらす台風を、より多く発生させる。また、気温の上昇、降雨パターンの変化などは、国内農産業や水質に悪影響を及ぼすとされている。

 英政府の依頼により、気候変動の経済影響を分析した最新の「スターン報告書(Stern Review)」の予測によると、2006年に8%の経済成長を達成したベトナムは、現在、大量の汚染物質を排出しており、1994年から2020年の間には、同国の温室効果ガス排出量は、2.3倍に増加するという。

 また、同報告書によれば、ベトナムは海面の水位が1メートル上昇すると、国土の12%、全人口の23%を失うことになるという。

■度重なる暴風雨、洪水・・・ベトナム政府も「深刻な危機」を認識

 一方、ベトナムの天然資源・環境省(Ministry of Natural Resources and the Environment)の高官であるNguyen Khac Hieu氏は、同国が深刻な危機に直面しているという事実を認めた上で、「国際社会が、温室効果ガス削減の有効な手段を見いだせない場合、地球の気温が上がり海面の水位も上昇する。ベトナムのように国土が細長く、広範にわたり沿岸地帯を有する国が、甚大な被害を受けることは必須だ」と述べている。

 現在、ベトナムの3200キロにおよぶ沿岸地域には、役8400万人の住民が暮らしている。2006年には、国内有数の穀物生産地であるメコン川河口のデルタ地帯は、度重なる大型台風の襲来により、深刻な被害を受けた。

 写真は、 ホア・ビン北部の電力ダムに押し寄せる洪水。T(2006年7月22日撮影)(c)AFP/HOANG DINH Nam