【クウェート市/クウェート 5日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)沿岸に開発された不動産プロジェクト「ザ・ワールド(The World)」のうち、「オーストラリア」と名付けられた区分を購入したクウェート企業が4日、同区分の売却を打診中であることを発表した。

「ザ・ワールド」はドバイ沖に約300の人工島を世界地図のように配した開発プロジェクト。その中の「オーストラリア大陸」区分を2年前に購入したのが、クウェート証券取引所(KSE)に上場のInvestment Darだが、購入区分の売却を希望しており、国内外の投資家と交渉しているという。

 同社はKSEのウェブサイトに、プロジェクトを担当する不動産関連の子会社、Oqyana Real Estateが「『オーストラリア大陸』のすべて、または大部分を売却する方向で関係者らと交渉中」であることを発表。売却が成立すれば、約15億ドル(約1810億9500万円)の利益が期待できるとしている。

 同社では「ザ・ワールド」の「オーストラリア大陸」に、総額35億ドル(約4224億5000万円)の不動産および観光開発を計画していた。 抜群の景観が望める集合住宅1500棟以上、水上住宅90件、運河に浮かぶ住宅170件、海岸沿い高級マンション150棟以上、さらに最高級のホテルや商業施設を備え、計1万5000人を滞在・居住させる計画だった。

「ザ・ワールド」はドバイ沖2.5キロに位置し、豪華リゾート地ドバイを象徴するブルジュ・アル・アラブ・ホテル(Burj Al-Arab hotel)とラシド港(Port Rashid)の中間地点に位置する。「ザ・ワールド」近隣にはヤシの木の形をした別の人工島3島も建設中で、うち1島はすでに完成している。

 写真は、「ザ・ワールド」の完成イメージ(2003年5月6日撮影)。(c)AFP