【プラハ/チェコ 4日 AFP】ホームレス問題に対処するためのユニークな解決策が首都プラハで1日にスタートした。なんとそれは900トンの貨物船を250床を有するホステルに改造し、ホームレスを対象にオープンするというものだ。

市街中心から離れたヴルタヴァ(Vltava)川下流の堤防に停泊するこのホステルの客は、市内に生活する5000人から6000人のホームレス。「このように、ホームレスのためにボートをホステルにするという試み(ボート+ホステル=『ボテル』)は、ヨーロッパではこれまでになかったと思います」と同市で社会福祉政策を担当する市民民主党(Civic Democratic Party、ODS)のJiri Janecek氏は語る。

ベッド、シャワー、お茶、休憩所、そのほか基本的な医療サービス、市の社会政策担当部署への相談などが20コルナ(約110円)で利用できる。オープン前日の1月31日には、寝袋、歯ブラシなど自身のものを持ち込むという条件付きで、この『ボテル』がメディア向けに無料で解放された。

長期滞在者にはやがて社会復帰出来るよう掃除など様々な仕事が課される。

「ここのキャパシティはこれで十分だと思います。我々は、この国全体のホームレスの世話をしたいわけではありません」とJanecek氏は述べ、救世軍(Salvation Army)など多くの慈善団体も同様に市内のホームレスに寝床を提供していると加えた。

寒さの厳しかった昨冬には、保護施設にある600床では間に合わず、一時的に中心市街に軍のテントを設営した。

 「経済状況が悪化し、社会福祉が乏しい中、近年ホームレスの数は増加しています。ここプラハには、国中からホームレスが集まって来きます。その数は現在では5000人から6000人に上るのではないかと推測されます」と、153床を有するプラハの救世軍のPaval Ondrak氏は語る。「『ボテル』は素晴らしいアイデアです」

 ホームレスに関する公式な数字はなく、3月に市が統計を取る予定となっている。3年前は3100人のホームレスがプラハに生活していた。

 ヴルタヴァ川やエルベ側を通り、プラハとハンブルク間を運行していたこの貨物船は、2300万コルナ(約1億3000万円)をかけて改造され、その額のほとんどをプラハ政府がまかなった。

 写真は1日、オープン初日を迎えた『ボテル』。(c)AFP/MICHAL CIZEK