【ロンドン/英国 1日 AFP】英出版社ブルームズベリー(Bloomsbury)は1日、世界的に人気のファンタジー小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの最終作を、7月21日に発売すると発表した。

Harry Potter and the Deathly Hallows(ハリー・ポッターと死の聖人)』と題されたシリーズ第7作目は、1人の少年魔法使いをめぐる物語の完結編となる。ブルームズベリーは同作を「最も期待されている本」と称し、前作までの各作品が記録した驚異的な売り上げすら塗り替えるだろうと予想する。

■完結編で登場人物のうちの2人が死ぬ

 先に著者のJ・K・ローリング(J.K.Rowling)さんは、完結編で主な登場人物のうちの2人が死ぬ予定だと述べた。ファンの間では、そのうちの1人は同作でホグワーツ(Hogwarts)魔法魔術学校の最終学年に在籍する主人公のハリー自身ではないかとの憶測が駆けめぐっている。

 英BBC放送が電子版で主催するインターネット・チャットには次のような書き込みがされ、できるだけ早く新作を入手するため、発売日に多くの若いファンが徹夜で書店の外に並ぶ様子がうかがえる。

「当然でしょ! 今までで最高の盛大なお祭りだもの、参加しないわけがないわ。私は8歳の時から、この瞬間を想像してきたのよ!」「もし早く手に入れることができたら、間違いなくパパが迎えに来てくれるわね。そうすればパパも早く読むことができるから。もっとも、私が走って家に帰るという可能性もあるけど」

■7月21日は、世界中が“ハリー・ポッターの日”

 英書籍小売り大手ウォーターストーンズ(Waterstone’s)は、発売初日の売れ行きを50万部と見積もる。

 同社児童書部門のWayne Winstone部長は、「史上最高売り上げを達成するのみならず、史上最速売り上げも記録することでしょう。ぐずぐずしていれば、(物語の中で)何が起きたのかを友達から聞かされる危険がある。好きこのんでそんなことをする人は、そうはいません」と話す。

 米オンライン小売り大手アマゾン・ドットコムの英法人、Amazon.co.ukも、発売日が発表されたことで先行予約注文が殺到すると見る。

「7月21日は、世界中で“ハリー・ポッターの日”となるでしょう。他の作品がこれほどの期待と注目と需要を集めるには、かなりの時間がかかるのではないでしょうか」(アマゾンUK書籍部門のChristopher North部長)

「ハリー・ポッター」シリーズは世界中63か国語で売上総数3億2500万部を達成する大ベストセラーとなった。ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)主演の映画化も好評で、5作目が書籍版最終巻の発売1週間前に公開される。著者のローリングさんは同シリーズの印税で、英国史上最も多くの報酬を得た女性となったといわれる。

 7月21日に発売されるのは英語版のみで、他の言語については発売日は未定。

 写真は映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のワンシーン。(c)AFP/WARNER BROS