【カブール/アフガニスタン 1日 AFP】米軍当局は1日、タリバン(Taliban)をはじめとする武装勢力に対する軍事力強化の目的で、数百万ドル相当の武器や武装車両をアフガニスタン陸軍に提供した。

 引き渡しの式典にはハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が出席し、ライフルやマシンガンを含む軽火器1万2000丁と、武装車両213台が提供された。

 Robert Durbin米軍少将は武器などの提供について「アフガニスタン国軍の軍事能力を確立するための長期的な米国の義務の印」と語った。

 今回実施された武器などの提供支援は、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官が前週発表した今後2年間にわたって実施される総額106億ドル(約1兆2770億円)のアフガニスタン支援策の一部。

 米国発表による総支援額106億ドルのうち、86億ドル(約1兆360億円)はアフガニスタン治安部隊の訓練や装備充実のために使用され、残る20億ドル(約2410億円)は復興目的に充当される。

 アフガニスタン陸軍は現時点で4万人を下回る兵力を、2009年までに7万人規模に拡充することを目指している。ただし国防関係者によると、実際に必要な兵力は少なくとも21万人だという。

 アブドゥル・ラヒム・ワルダク(Abdul Raheem Wardak)国防相は、「テロリズム」との戦いを担う外国軍部隊に代わり、自立したアフガニスタン陸軍を確立するための支援を北大西洋条約機構(NATO)に要請している。

 ワルダク国防相は米国が実施した武器などの提供について、「アフガニスタン陸軍の機動性、作戦能力および装備力を強化し、部隊の防御力を高めるもの」と評価。同時に、アジアの紛争地帯に位置する同国陸軍の防衛力が次第に向上するとの見通しを示している。  

 写真は同日、米軍から提供された武装車両の鍵を表す記念品をDurbin少将(左)から受け取るカルザイ大統領(右)。(c)AFP/SHAH Marai